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» 2007年11月13日 16時11分 公開

Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report:「革新的技術はビジネスそれ自体が変革する」とAMDのルイズCEO

「Oracle OpenWorld 2007 San Francisco」は11月12日、本格的に幕を開け、Oracleのフィリップス社長の基調講演に続き、パートナーのトップを切って、AMDのヘクター・ルイズCEOが登場した。

[谷川耕一,ITmedia]

 Oracleの年次カンファレンス、「Oracle OpenWorld 2007 San Francisco」は米国時間の11月12日、本格的に幕を開けた。午前の基調講演では、Oracleのチャールズ・フィリップス社長の基調講演に続き、パートナーのトップを切って、AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOが登場した。

 「いつもなら、新しい技術の解説をするところだが、今回は技術的な革新によってビジネスのやり方が変わるという観点で話をしよう」(ルイズ氏)

AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEO

 ここ最近の仮想化技術など革新的なものによって、エネルギー効率化やどこでもだれでも便利なインターネットアクセスを実現できるようになった。ルイズ氏はしかし、今回は仮想化を実現するネイティブ・クアッドコアプロセッサの性能や、そこで採用されている技術解説は行わずに、新しい技術の登場が既存ビジネスの効率化だけでなく、ビジネスそのもののやり方を変えるチャレンジについて紹介するという。

 最初のチャレンジは、ゲームメーカーのElectronic Arts(EA)の事例だ。HPの最高戦略責任者兼技術責任者のシェーン・ロビソン氏をゲストとしてステージに招き、EAのチャレンジにAMDとHPがどのように対応したかが説明された。EAは年間に24ものゲームタイトルを市場に投入しており、世界中に散らばるゲーム開発者の、コミュニケーションとコラボレーションに特化したITの仕組みが要求されたという。

 「ゲームの開発者は一般が利用しない技術を使っていると思われがちだが、彼らが利用している技術は次第に一般にも浸透している」とロビソン氏は指摘する。

 ハイエンドゲームの世界では真のインタラクティブ性が要求されるが、それを実現した技術は今や一般のIT技術として徐々にシステムに取り入れられているというのだ。実際ハイエンドゲームのハードウェア技術が、HPが提供するサーバやラップトップPCにも既に取り込まれているとのことだ。

 ルイズ氏は、ゲーム業界のようにITそのものがビジネスの主要部分を占める企業の状況から「ITは長いあいだビジネスをサポートする存在だったが、今やITが事業そのものになってきている。今後もこのトレンドは続く」と指摘する。

リアルタイム化、グローバル化が求められるMLB.com

 2つ目のチャレンジとして、ルイズ氏が紹介したのは、メジャーリーグベースボールの情報提供サイト、MLB.comだ。ここでは、Sun Microsystemsのシステム担当EVPのジョン・ファウラー氏がゲストで登壇し、スポーツ関連の情報を扱う上でのスケーラビリティーに対する高い要求について解説がなされた。

 「スポーツにおいては、従来は何が起きているかの情報を伝えられればよかったが、今ではリアルタイムの分析が必要になっている」とファウラー氏は話す。また、先ごろのボストン・レッドソックスとコロラド・ロッキーズのワールドシリーズには、16人もの外国人選手が出場しており、そういった面から米国だけでなく世界中からのトラフィックが増える状況もあるという。そうなると、よりスケーラビリティーへの要求は高まる。

 さらに、MLB.comの要求は、リアルタイムですべてをやりたいというものだったという。そのために、Sunは堅牢なインフラを用意し非常に高いワークロードに対してもトランザクション性能が劣化しない仕組みを提供した。

 「スポーツの領域では、マルチメディアコンテントをどんどん利用している。単に利用するだけでなく、コンテントの保護についても考える必要がある」とルイズ氏は指摘する。スポーツの領域にITを活用することは、スケーラビリティーやマルチメディアコンテントの活用という面で、今後も引き続き先進的な取り組みが必要になるだろうとルイズ氏はみる。

LucasFilmも課題は同じ、革新への支出をどう増やすか?

 3つ目のチャレンジとして紹介されたのが、LucasFilmの取り組みだ。映画やゲームの世界において、LucasFilmは世界中で生み出されている映像特殊効果のおよそ70%を扱っているという。特殊効果の制作そのものが、高度なITの利用が前提となっている。

 ゲストとしてステージに招き上げられたのは、Dellの最高マーケティング責任者のマーク・ジャービス氏だった。彼は2000年初め、Oracleの最高マーケティング責任者を務め、Oracle OpenWorldカンファレンスの責任者でもあった。

かつてはOracleでマーケティングを統括していたジャービス氏(右)

 ジャービス氏によれば、LucasFilmでは、ITを活用することで生産性を上げるだけでなく、技術者の創造性の向上が求められたという。さらに、スピードも重要なポイントだったと話す。

 これは、企業のIT支出に占めるメンテナンスの比率が75%に達し、25%しか革新を起こす新規プロジェクトに振り向けられていないという課題と共通点があるという。Dellは、標準化の技術でメンテナンスコストを削減することで、この要望に応えたという。

 AMDのルイズCEOは、技術革新のペースが早く変化の激しい状況に追随するには、ITの仕組みを簡素化する必要があるとし、簡素化のためにパートナーシップモデルも提案した。両社は既に「オンデマンド・デスクトップ・ストリーム」という、仮想化による管理の簡素化の取り組みを開始している。

 昨年までのルイズ氏は、ライバルであるIntelに対する技術的な革新性やアドバンテージを主張したが、今回は技術の上にある将来のソリューションをパートナーとともにメッセージアウトする、ある意味で大人のセッションとなった。

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