あなたのブログは“誰が”書かせる――ブログマーケティングの行方オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年11月16日 12時34分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 そしてもう1つは、野党第1党の代表が辞任を表明したかと思えば、すぐに慰留されて撤回した件。このことは北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」前言撤回・・・?で取り上げている。このことに関しては筆者も思うところがありブログなどに書いたが、1つ記すとすれば、政治家が発した言葉は重いということを、改めて考えさせられた一件だった。

 岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」お腹を抱えて笑えた企画書の間違いにあるような間違いが笑えるうちはよい。ただ、この事例でさえもミスが命取りになって会社を倒産へと追い込むことさえあり得るかもしれない。それが政治家だったらどうなるだろうか。自らの政治生命が奪われる程度ならまだ個人責任にとどまるが、それによって国益を損なえば事態は大きい。政治家にはその点を肝に銘じて、日々の発言をしてほしいと願うばかりだ。

 まだまだ、鶴田裕史氏「IT業界のマーケティングを問う」年金記録問題検証委員会報告を読んだ雑感で取り上げられた年金記録など、問題は山積しているのだ。つまらない発言で混乱してしまうのは、勘弁してほしいものだと言わざるをえない。林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」政局混乱時のインターネットの動きを読むでも触れられているが、こういう時こそ我々がしっかりと政治を監視していく必要があるのだ。

ブロガーの効果を改めて考える

 ブログマーケティングという言葉が当たり前のようになった。これには2つの意味があって、1つは“ブロガー達が自発的に取り上げている話題からマーケティングしていくこと”、そしてもう1つは“企業からブロガーにアプローチしてエントリーを発信してもらうこと”だ。いまでは、後者のケースがかなり増えているように思う。作られた口コミ効果を狙うマーケティングだ。

 加藤恭子氏「きょこ コーリング」ブロガーの効果というエントリーが投稿されたが、なかなか真を付いていると思う。また、このことについては吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」ブログマーケティングで効果があるのは比較と検討段階でも掘り下げられているため、併せて読んでみると分かりやすいだろう。ブログマーケティングの今後はどうなるのかを占う意味でも、注目だ。

 そしてもう1つ、今泉大輔氏「シリアルイノベーション」自腹情報vs非自腹情報にも目を通してほしい。ブログマーケティングで陥りがちな穴を指摘しており、改めて頷かされた。

ブログの限界?

 ブログの効果について改めて考えてみたが、もう1つ、ブログの限界という視点についても考えてみよう。すでに知っている読者も多いと思うが、「最近ブログはつまらなくないか?」というRTCカンファレンスの告知文が、複数のブログでも話題になっている。オルタナティブ・ブログでは、工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」ブログ限界論とアタリショックをつなげてみるで面白い切り込み方をしているので読んでみてほしい。

 また、辻俊彦氏「キャピタリストの視点」「つまんない」って記事がおもしろかったりするブログでも別の視点から論じられている。

 個人的な見解をさせてもらえば、つまらなくなったのではなく、当たり前になったのだと感じる。つまり、誰でも比較的手軽にチャレンジできることから、特に必要のない場合でも、検索などで目に触れる機会が増える傾向にある。本人も最初は物珍しさで投稿していても、すぐに飽きてしまって惰性で続ける場合もあるだろう。また、ブログでのつながりで、止めるにやめられないというケースもある。それらが増加していくことで、加えてスパム、アフィリエイトなどが加わると……、結局のところ、相対的に興味深いものが埋もれがちという意見もうなずける。

 そして、「面白い」か「つまらない」かは主観でしかない。別にブログが強制されているわけではないのだから、せっかくやっているのならば楽しいようにしなきゃ損のような気もするのだが……、いかがだろうか。

 そのような背景で、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」インターネットに関するネガティブな意見が増えてきたも興味深く読めた。

 これから、間違いなくネット社会は進み、国民総ネット社会へとなっていくだろう。そうすれば、さらにこの問題は大きくなっていくはずだ。要するに、ネットが特殊な社会ではなく、あくまでも社会全体の1要素に過ぎないことを再認識する必要があるのだ。

ブログで禁煙

 ブログを利用すると、さまざまなことが実現できる。その中でも個人に近いものとしては、ある種の宣言が公言となってしまうこと。ある程度の読者を持つブログで公言することは、自分に強い意識を埋め込むという効果もあるわけだ。吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」ブログで禁煙宣言と禁煙支援サイト集では、声高らかに禁煙宣言をしている。コメントでもいろいろなやり取りがあるが、ブログでの宣言は効果がありそうだ。なかなか禁煙ができないという人はブログで宣言してみるのもよいかもしれない。いや、禁煙に限らないが。

 最後に、気になったエントリーを。

 久保田裕氏「愚直なまでも著作権」海賊版を購入しないでくださいは、ぜひ読んでほしいと思う。当たり前のことなのだが、「自分くらいは」と思ってしまう人がいる以上、根絶は難しい問題だ。

 また、堀内浩二氏「発想七日!」「でもこれ(Google)、私のPCには入っていないわよ」は思わず笑ってしまったが、あるかもしれないと思うと、笑えない面もあった。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」書いてる途中は見ないで欲しい……は、同感である。

 以上、11月1日から7日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された180を超えるエントリーの中から、幾つかのキーワードでピックアップさせていただいた。

 しかし、取り上げることができたのは、ごくわずかに過ぎない。まだまだ取り上げたいと思ったエントリーはたくさんあるのだ。本記事を読んで、少しでも興味を持った場合には、ぜひそのブロガーの投稿を幾つか読んでみるとよいだろう。その中でお気に入りブロガーを見つけたら、ブログのRSSを直接チェックしてみよう。

 ITの今を知る、新たな発見があるに違いない。

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