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» 2007年11月19日 19時30分 公開

次世代検索の行き先:MSの検索技術は部門の壁を越える情報活用をもたらすか (1/2)

マイクロソフトの企業内検索製品「Microsoft Search Server 2008 Express」の日本版が2008年上半期にリリースされる。部門の壁を越えた情報活用ができていない日本において、同製品は情報活用を活性化させる一手となるのか。

[藤村能光,ITmedia]

 2007年度版「経済財政白書」によると、日本において部門内で情報活用が行われているのは企業の68%であるのに対し、組織全体で情報活用ができているのは24%にとどまる。多くの日本企業は、部門の壁を越えた情報活用ができていない。

 その理由の1つに、日々生成される膨大な情報を企業内で処理しきれていないことが挙げられる。それを受けてか、企業内のあらゆるデータを活用するために企業内検索サービスや製品がメディアで取りざたされるなど、今のエンタープライズ分野において、検索というトピックが流行となっている。

 マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部、IWソリューションマーケティンググループの吉村徹也マネジャーは、検索を検索だけで考えるのではなく、得られた情報を活用したりほかの社員と共有して、その情報を新たな情報源にすることが必要であり、「検索は企業の目的を達成する手段の一部でしかない」と説明した。

image 「社員の生産性を上げるには、企業内外における情報共有の生産性を上げなければならない」と吉村徹也マネジャー

 米Microsoftが11月6日に発表した「Microsoft Search Server 2008 Express」(MSS2008)は、Microsoft Office SharePoint Server(MOSS) 2007、Search Server 2008に次ぐ企業向け検索製品。検索/コラボレーション/ポータル/コンテンツ管理/ビジネスプロセス/ビジネスインテリジェンスの6つを扱うMOSS 2007から、検索とコラボレーションの機能を取り出したもので、ファイル共有サーバやWebサーバ、Lotus Notes DBなどの非構造化データを統合検索できる。MOSSの機能である構造化データや社員情報の検索機能は備わっていない。

 MSS2008は、米Amazon子会社のA9.comが提唱する検索エンジン提供者のための技術「OpenSearch」に準拠する検索エンジンを専用コネクタで追加し、複数の検索サービスの結果を単一のWebページに表示できるフェデレーション機能を持つ。検索サービス「Live Search」やWikipediaといった外部サービスの検索結果を表示したり、図書館や医療などの専門機関の情報システムとマッシュアップを行うことができるという。

 これまでの企業内検索は、エントリーレベルおよび専門的な検索のソリューションを提供するものがほとんどだった。例えばデスクトップ内を検索する「Windows Desktop Search」は、エントリーレベルの検索システムとして低コストで導入できるものの機能面で十分とはいえない。かといってMOSSのような専門的かつ幅広い分野を検索するソリューションは、検索のあらゆる機能を備えるものの導入コストが高く、結果として一部の企業にしか導入されていない。

 MSS2008は、「専門のIT管理者がいない企業や、部門別に検索ソリューションを導入したい企業向けの製品」(同社インフォメーションワーカービジネス本部、IWソリューションマーケティンググループの昇塚淑子エグゼクティブプロダクトマネジャー)で、コストや機能面においては、上記のエントリーレベルおよび専門レベルのソリューションの中間に位置する。「今までにない検索ソリューションで、企業内検索の新しい市場を開く製品」と同氏は述べる。

 「パートナーや外部のソリューションとも容易に連携でき、MOSSのローエンドモデルとして位置付けられる」(昇塚氏)。2008年上半期にリリース予定のMSS2008の日本語版は、これまでMOSSを導入できなかった企業に検索製品を届け、冒頭に述べた部門内情報活用をさらに推進するだけでなく、次のフェーズにある組織全体での情報活用を可能にする製品として期待される。

image 「ブログやWiki、Officeのアプリケーションなどとのコラボレーションも実現している」と昇塚淑子エグゼクティブプロダクトマネジャー
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