Oracle OpenWorldでXMLの価値を米国先進企業に提案するジャストシステムOracle OpenWorld 2007 San Francisco スペシャルレポート

ジャストシステムは、全米最大級のITカンファレンスとなった「Oracle OpenWorld 2007 San Francisco」のスポンサー企業に今年も名を連ね、同社のXML製品やソリューションを紹介した。

» 2007年11月26日 10時00分 公開
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 米国時間の11月11日夕方、ベテランズデー(退役軍人の日)と日曜日が重なり、ただでさえ賑やかなカリフォルニア州サンフランシスコのダウンタウンで、4万2000人が参加する「Oracle OpenWorld 2007 San Francisco」が開幕した。ジャストシステムも、今や全米最大級のITカンファレンスとなったOracle OpenWorldのスポンサー企業に今年も名を連ね、同社のXML製品やソリューションを紹介した。

photo 昨年と同様、モスコーニセンターの北館と南館のあいだの通りは閉鎖し、巨大なテントが張られている。基調講演のために早朝から長蛇の列がつくられた。後方の西館にはOracleの大きなバナーが見える
photo 4万2000人がレジストレーションを行った西館1階ホール。ジャストシステムのテクニカルセッションはこの西館で行われた

 ジャストシステムは2004年11月、世界に先駆け、あらゆるXML文書を自由に読み、書き、組み合わせ、WYSIWYGで扱うことができる「xfy technology」をワシントンD.C.の「XML 2004」カンファレンスで発表、1年後の2005年11月には同技術を基盤とした初めての製品として、xfy Basic Edition 1.0を世に送り出した。さらに昨年のOracle OpenWorldでは、XMLアプリケーションの開発基盤と実行環境を統合的に提供することで法人向けのソリューションに仕立て上げた「xfy Enterprise Solution」のOracle対応版を発表している。

 一方、同社は昨年3月、XMLオーサリングツールである「XMetaL」の事業をBlast Radiusから買収し、グローバル市場で販売している。ジャストシステムの米国法人の売り上げも今のところほとんどをXMetaLが占めているが、北米では、来年3月までにxfyの企業顧客を2〜3社獲得し、近い将来は25%までxfyの売り上げ比率を高めたいとする。

XMLオーサリングツールのパイオニア、XMetaL

 XMetaLは、XMLによって構造化されたコンテントの作成やグループでの編集からさまざまな媒体への出力など、多彩な機能を提供するXMLオーサリングツールのパイオニアだ。

 企業は、製品を開発、製造していく課程で、さまざまな文書を生み出している。製品を販売していく際には、消費者向けのマニュアルやサポートマニュアルも必要になる。こうした文書作成の多くは、製品の開発や製造の課程で生み出される文書とは個別に行われており、作業は膨大なものとなっている。文書が構造化されていないために再利用が難しいからだ。その膨大な手間もさることながら、情報の一貫性が失われるリスクも潜んでいる。グローバルな市場でビジネスを展開する企業にとっては、さまざまな言語への翻訳も求められ、さらにその煩雑さとコスト高に拍車が掛かる。

 XMLによって文書が意味のある単位(ジャストシステムでは「情報ユニット」と呼ぶ)で部品化され、構造化されていれば、再利用によってコストを抑えながら、品質の高い文書を迅速に作成していくことができるため、北米や欧州ではハイテクを中心に多くの企業が文書のXML化に取り組んでいるという。

XMLの恩恵をアプリケーションに拡大するxfy

 今年のOracle OpenWorldは、Oracleの創業30周年を盛大に祝ったが、ジャストシステムの歩みも四半世紀に及ぶ。文書の編集や日本語の処理にこだわり、ソフトウェアの提供を通じて日本の知を紡いできた同社の技術と、文書を構造化し、意味づけできるXMLの結実がxfyだといっていい。

 photo ジャストシステムのブースでは、オーサリングのXMetaLに加え、xfyによってエンドツーエンドのXMLソリューションを提供できる同社の強みをアピールしていた

 Oracle OpenWorldの展示ブースでは、構造化されたコンテントを作成、共同編集し、パブリッシングするXMetaLに対して、xfyは「文書ベースのコンポジットアプリケーションフレームワーク」と位置づけて説明する。情報の構造化による恩恵を、単なるオーサリングとパブリッシングの領域だけでなく、さらに業務に役立つアプリケーションにまで拡大して享受するフレームワークだ。

 しばしば、「仕事で使われる伝票や帳票には業務の進め方やノウハウが盛り込まれている」といわれることからも分かるとおり、企業の内外の異なる部門やパートナーが協調しながら円滑に仕事を進めるには、文書が効率的だ。もともと構造化されていてコンピュータにも扱いやすい数値データだけでなく、XMLによって企業内のさまざまな情報が構造化され、意味づけされてくると、電子的な文書はより力を発揮してくる。文書を通じて、数値データはもちろんのこと、業務プロセスの各局面で脈絡のある、生きた情報を動的に参照できるようになるからだ。

 ここ数年、SOA(サービス指向アーキテクチャー)という柔軟なシステム構築のアプローチが脚光を浴びており、日本の企業も取り組みを本格化させているが、それはアプリケーションのサービス化と再利用だけでなく、データのサービス化と再利用を必然的に促している。業務プロセスの各局面で必要となる情報がすぐに使える状態できちんと用意されていなければ、SOAアプローチによるシステムの柔軟性もうまく機能しないからだ。

さまざまな情報を有機的に組み合わせて活用できるxfy

 ジャストシステムの展示ブースでは、情報活用における情報システム部門とユーザー部門の効率的な役割分担が、xfyによって可能になると説明する。

 xfyが際立っているのは、新しいXMLボキャブラリを扱いたいときにも、XSLTライクなXMLスクリプトで簡単にプログラミングできたり、GUIツールである「xfy View Designer」によってプログラムを自動生成できる簡易な開発環境を提供していることだ。このツールでは、既存のXML文書からスキーマを自動抽出し、再利用することもできるという。

 情報システム部門は、構造化と意味づけによってアプリケーションに依存しない、再利用可能なデータのリポジトリを提供することに専念し、ユーザー部門は、業務に即してそれらを有機的に組み合わせ、より良いコラボレーションや意思決定を支援する動的な文書に仕立て上げればいいわけだ。

 情報のXML化やSOAアプローチが浸透を始めている米国市場では、xfyが生きる素地が十分に整いつつある。

 実際、Oracle OpenWorldでは、ラリー・エリソン会長兼CEOが次世代の「Oracle Fusion Applications」を2008年上半期にリリースすることを約束し、その次世代アプリケーションの要件として、「SOA基盤をベースとして構築され」「業務プロセスの各局面で役に立つビジネスインテリジェンスが組み込まれている」ことを挙げている。

 そのひとつの例として、見込み顧客の効果的な提案を行うために、ERPから取り出してきた顧客の購買履歴や、外部調査機関による顧客の信用情報といった、脈絡に沿った情報が企業内外のさまざまなシステムから集められ、1つの画面に表示されるSFAアプリケーションがステージでデモされた。xfyのような環境と組み合わせられれば、サポート担当者に寄せられた非定型のコメントや、さらに複雑多岐にわたる情報も有機的に結びつけて参照でき、より精度の高い意思決定が可能となるだろう。

 ジャストシステムの展示ブースでは、保険会社のコールセンターが補償請求を受け付ける電子フォームアプリケーションをxfyで作成し、デモした。親しみやすいフォームの形式でデータを入力できるだけでなく、最新の請求履歴や脈絡に沿った対応マニュアルがフォーム内に表示される仕掛けだ。規制や社内のルールが変われば、即時に対応マニュアルに反映できるという。

ナレッジの解放と共有──XMLの価値を熟知するジャストシステム

 photo ジャストシステム米国法人では、ビジネスのニーズを技術者に伝え、製品開発に顧客の声を生かす役割を担っているというクラレン氏

 ジャストシステム米国法人でシニアセールスコンサルタントを務めるジョン・クラレン氏は、XMLこそが、こうした「ナレッジの解放と共有」を実現すると話す。

 「XMLはデータのための言語。1つのアプリケーションで生成されたデータを別のアプリケーションでも利用できるようする通訳者の役割を果たす」とクラレン氏。

 SOAアプローチによって既存のアプリケーション同士を連携させる際に、業界ごとに定義された共通のプロセスを媒介として統合しやすくしてやる工夫がなされているが、業界ごとのデータの標準化も欠かせない。さまざまな業界において、XMLによる標準化が幅広く取り組まれている背景には、こうした事情もある。プロセスとデータの標準化は、SOAアプローチによる柔軟なシステム構築には欠かせない両輪なのだ。

 「Oracleはリレーショナルデータベースを初めて商用化したベンダーだが、彼らにとってXMLは新しい世界であり、新しい考え方が求められる。ジャストシステムは、顧客にとってXMLがどのような価値を生み出すのか熟知している。われわれは、Oracleと一緒に顧客に対してXMLの価値を伝えられる」とクラレン氏は話す。

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提供:株式会社ジャストシステム
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年12月25日