予算不足でプロジェクトを頓挫させないための心得マネジャーの教科書(2/4 ページ)

» 2007年11月29日 15時40分 公開
[Wayne-Turk,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

現実的なソリューション

 予算の追加が不可能であれば、そのほかの部分を変更するしかない。まずは不可欠でない要件から削っていくが、必須の要件でもプロジェクトを破たんさせないものであれば削除の対象とすべき場合もあるだろう。どのようなプロジェクトであれ、削除(あるいは後日のバージョンアップやアップグレード時までの延期)して構わない要件はたいてい存在しているはずである。こうした要件については優先順位づけをして、最も優先度の低いものから削るようにする。

 PMとしては、技術的に適したより安価なソリューションがあれば、それを利用したいところだろう。サーバの変更やオープンソース系ソフトウェアの採用など、コスト削減につながるほかのアプローチを選んだとしてもプロジェクトを成功に導くことができるかもしれない。またスパイラルアジャイルといった開発手法を適用することが役立つ場合もあるだろう。こうした措置によりプロジェクトを成功に導く方針が定まり、評価に値する成果を残すことができれば、次のフェーズまたはバージョン開発時に予算の増額が認められるかもしれない。

 装置の購入については、その見直し、延期、中止を一通りは検討すべきであろう。同様に大幅な人員削減をするという選択肢も存在するが、これら2つのオプションはスケジュールの遅延をもたらすであろうし、長期的に見ればプロジェクトの成功を困難にする危険性が生じてくる。よって可能であれば、過去に行った開発成果の再利用や、ほかのプロジェクトで購入したハードウェア/ソフトウェアの転用ができないかを検討すべきである。別プロジェクトの開発成果や備品で役立ちそうなものがあれば、素直に便乗させてもらうのも1つの方法だろう。その際に相応の金銭的負担を強いられるかもしれないが、丸ごと購入するよりは安価に済むはずだ。

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