研修は、仕事に伴う恩恵あるいは従業員にとっての特典と考えている経営者が多いが、これは、従業員のスキルの向上が企業により多くの価値をもたらすという点を見落とした考えだ。また、仕事に関連した研修にかかった費用を会社が負担できなければ、その従業員に非常に悪い印象を与えることになりかねない。
「今年、無料の研修に参加するのを会社に拒否された。3日間の研修に伴う交通費、食費、宿泊費の500ドルを支払いたくなかったのだ。それなのに、会社負担の出前ランチはまだ続いている」とヘス氏は話す。
仕事を取ってくるのは営業担当者だけではないが、それに対するボーナスをもらうのは彼らだけである。
ニュージャージー州在住の元独立系コンサルタント/ITスペシャリスト(匿名希望)は、「わたしは営業担当ではなかったが、連邦政府との数百万ドル規模の大口契約をはじめ、多くの新規ビジネスを獲得した。しかし年末にボーナスをもらったのは営業部の連中だけだった。わたしにも営業ボーナスをもらう資格があったはずだ」と話している。
休暇を貯めておくことができればいいのに――と考えているのは何もITワーカーに限ったことではないが、彼らの多くはそういった制度で大きな恩恵を受けると考えている。
「1週間に8時間から10時間も残業し、アップグレードの導入や技術的な障害への対応などで深夜まで必死に働き、週末も休まず、月曜日の朝一番に客先に出向くために日曜日丸1日つぶして移動するといった働きに対して、その分の代休を取れるようにすべきだ」と独立系コンサルタントは話す。
同コンサルタントによると、ほかの従業員が休んでいるときでもIT部門のスタッフは働いているのに、仕事が暇になったときでも十分な休暇が与えられないことが多いという。
ITプロフェッショナルは、良い仕事をしても認められることが少ない。
「Linux Magazine」誌の編集長を務めるジョー・ブロックマイアー氏はeWEEKの取材で、「一般に、ITスタッフが注目されるのは何か問題が起きたときだけだ。これは、仕事に対する不満や燃え尽き症候群の大きな原因だ」と語っている。
しかしデスクトップPCがWebにつながっているときや、プリンタの調子が良いとき、パスワードを再設定する必要がないときなどには、ITワーカーが同僚や上司から声をかけられることはまずない。
ITプロフェッショナルが仕事でプライドを大きく傷つけられるのは、自分たちの部門がプロフィットセンターではなくコストセンターのような扱いを会社から受けるときだ。
「多くの企業は、宣伝などにはどんどんお金を注ぎ込むくせに、ITスタッフやIT機器にはお金を出し惜しみするようだ」とブロックマイアー氏は話す。
ITと利益に間に明確な線を引くのは難しいが、効果的なITインフラは企業の収益に貢献することを忘れてはならない。
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