「先行逃げ切り」で国内ブレードシェア50%を――日本HP

日本HPがブレード製品の日本における戦略を発表した。日本での製品生産とこれまでに訴求しきれなかった対象への新製品を発表し、国内ブレード市場で50%のシェアを目指す。

» 2007年12月11日 18時31分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 「国内でブレード市場のシェア50%獲得を目指す」――日本ヒューレット・パッカード(日本HP)執行役員エンタープライズストレージ・サーバ統括本部の松本芳武統括本部長は、2007年第3四半期のブレードサーバ出荷台数でトップを獲得したことを受け意気込んだ。

 日本HPは12月11日、ブレードシステム「HP BladeSystem」の日本市場への投資強化施策を発表した。第3世代ブレード「HP BladeSystem c-Class」の日本での生産開始と通信事業者向け新製品の投入が中心。「日本ではブレードの認知度が低く、規格の標準化も課題だ。積極的な製品展開で先行逃げ切りを図る」(松本氏)という。

image 「日本生産を他社との差別化要因にしたい」と松本氏

昭島工場でブレード製品を国内生産

 PCやx86サーバを東京の昭島工場で生産する同社は、新たにHP BladeSystem c-Classをラインに加える。「日本企業が求める品質に応え、短期間で納入する」(エンタープライズストレージ・サーバ事業統括ISSビジネス本部の橘一徳本部長)ことを目指す。

image 昭島工場

 国内生産により、海外工場に資材を発注する工程が無くなり、顧客の要望に応じて計画的に調達できる。海外工場経由で1カ月かかっていたサーバ増設が1週間でできるようになる。注文仕様生産(フルカスタマイズ生産)にも対応する。

 オンラインストア「HP DirectPlus」でも販売を始めた。オンラインで見積もりができ、ブレード製品を5営業日で納品できる早さが売りだ。「エンクロージャやサーバブレードなど、タワー型やラック型と違い単一で構成できないブレード製品は納入まで期間を要していた。Web販売で期間を短縮できる」(橘氏)。

通信業者向けブレードシステムを発表

 ブレード市場で同社がこれまで未開拓だった公共、通信業、中小規模案件でさらなるシェア拡大を狙うべく、通信事業者向けブレードシステム「HP BladeSystemキャリアグレード・プラットフォーム」を発表した。

 湿度や温度、地震などの条件に対する信頼性を保障する通信事業者向け機器の仕様規定NERB(Network Equipment Building Systems)をクリアし、直流(DC)電源に対応した。DC電源対応の交換機が多く、途切れないサービスが求められる通信事業向けの製品となる。

 HP BladeSystem キャリアグレード・プラットフォームは、「HP BladeSystem c7000キャリアグレード エンクロージャ」「HP BladeSystem BL460cキャリアグレード サーバブレード」「HP Virtual Connect アーキテクチャ」で構成する。価格は300万5100円から。12月17日に販売を始め、2008年1月上旬から出荷する。

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