検索サービスのポータル化が進む一方、別の検索サービスが台頭している。企業向けの検索技術であるエンタープライズサーチを提供する検索プロバイダーが活躍の場を広げつつある。
エンタープライズサーチは、企業に大量保存されている文書データの利用促進、またはエンドユーザー向けのサービスに組み込まれ、サイトの利便性向上を目的に利用される。後者の場合、代表的なものに通信販売サイトの商品検索がある。
今年10月に日本へ進出したエム・シー・エヌ(MCN)は、エンタープライズサーチ技術をモバイルインターネットで展開する企業の1つ。代表取締役社長のマーク・ブックマン氏は「ユーザーが検索結果を見るのは3クリックまでが原則」と話す。
MCNは、通信事業者やCP、メディア企業と提携している。サービスではCPデータベースと検索システム「クエリブローカー」を接続して、“3クリック以内”の精度の高い検索結果をエンドユーザーに提供するという。これまでにフィンランドやタイ、マレーシア、中国、米国の企業にサービスを提供している。
「企業のデータベースには正確な情報が蓄積されている。ユーザーのクエリを言語学的、統計学的に適切に処理し、データベースと照合して、適切な結果をユーザーに提供する」(ブックマン氏)
例えばユーザーが好みの歌手の着信メロディを検索する場合、一般的な検索では楽曲やCD作品、ファンクラブサイトなどの情報がランダムに結果表示されるが、MCNの検索では着信メロディを上位に表示させることができるという。
日本では、三菱電機がNTTドコモに供給するD903iのiアプリにMCNの検索が導入されている。FMのオンエア楽曲情報から着信メロディやプロモーション映像などのコンテンツ検索の結果を的確に表示し、CPのサイトに誘導する仕組みとなっている。
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