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» 2007年12月26日 18時52分 公開

米大統領候補のジュリアーニ氏、“万能薬”たるテクノロジーを称賛

ほかのことはともかく、ルディー・ジュリアーニ氏が技術界に取り入る術を熟知した政治家であることは間違いない。

[Roy Mark,eWEEK]
eWEEK

 前ニューヨーク市長で、現在は共和党大統領候補となっているルディー・ジュリアーニ氏は、演壇から、あるいは討論会で、テクノロジーこそ米国の問題を解決する万能薬だと声高に叫んでいる。

 ジュリアーニ氏は2007年9月、Northern Virginia Technology Councilに向けた基調演説を行い、ワシントン周辺の技術企業幹部に魅力的なエサを放って見せた。「テクノロジーとはすなわち、あなた方起業家のことだ。ビジネスはアメリカの生命線である」とジュリアーニ氏は話し、インターネットの爆発的な成長を手放しで称賛した。

 「問題は、こうした成長の機運をどうやって維持していくかということである。政府は、私企業の営みを阻害しないよう注意しなければならない」(ジュリアーニ氏)

 ジュリアーニ氏はアイオワ州ジョンストンで12月12日に開かれた共和党大会において、自由貿易に対する姿勢をめぐり、民主党や一部の共和党議員をやり玉に挙げた。同氏によれば、貿易の自由はいまだ満足のいくレベルに達していないという。

 「アメリカは、起業精神に富む者、夢を追いかける者、創造にまい進する者の国だ。貧困から脱出しつつある人々にどれだけのものを売ることができるか、われわれは考えていかねばならない。インドや中国の2000万人、3000万人といった人々が、わたしたちの新たな顧客だ。アメリカ国民は偉大な夢追い人である。世界を相手にできる売り物を数多く持っており、その売上げがわれわれの購買力を支えている」(ジュリアーニ氏)

 この一カ月前には、ミシガン州ディアボーンでの党大会で、米国の自由貿易協定は環境や人権の保護を謳っていないという貿易相手からの批判に対し、反論を試みた。

 「まず最初に経済的な保障があり、それから安全や安定、法的権利といった保障が確立される。米国が後者に関して極めて優れた成果を上げているとは思っていない。だが、協定が不完全だから、問題や課題が残っているからといって、自由貿易に背を向けることはできない」(ジュリアーニ氏)

 インターネット――特にインターネット接続――への課税や規制は、忘れたほうがよいと同氏は言う。「一部の人々はインターネット税の導入を訴えているが、それはきわめて大きな誤りだ」と、ジュリアーニ氏はディアボーンで力説した。

 民主党は2007年10月、州政府および地方自治体がブロードバンド接続に課税し、従来型事業に対するのとは異なる形でインターネットビジネスを脅かす税金もしくは料金を徴収するのを禁じる法律を7年間延長することを認めたが、大統領選に出馬しているほかの共和党員と同じく、ジュリアーニ氏もまたこれを批判した。

 共和党が与党であった間にそうする機会が2度もあった事実を棚に上げ、ジュリアーニ氏は、民主党は同禁止法を永続化するべきだったと主張した。

 自由貿易の推進、新税導入への反対、ビジネス擁護というジュリアーニ氏のスタンスは、インターネットの規制にも及んでいる。ネットワークの中立性に関して公式の見解を示しているわけではないが、インターネットトラフィックの差別的な取り扱いを助長する、ブロードバンドキャリアに対する敵対的な規制に反対している点で、ジュリアーニ氏がほかの共和党候補者と足並みをそろえているのは疑いようがない。

 ジュリアーニ氏がほかの候補者と違っているのは、インターネットに巣くう性的搾取やポルノグラフィーを標的にした法律の制定にも異を唱えている点だ。

 同氏はディアボーンでの討論会で、「インターネット上で現在起こっている犯罪は、新手で深刻な類のものだと考えている。それでも、自由貿易の常として、安全や治安の問題と経済の問題は切り離す必要がある。われわれは、子供を狙った性的犯罪者がインターネットを悪用できないよう、インターネットを取り締まらなければならない。各州および各地域の法執行機関が、こうした取り組みに力を発揮できるだろう」と説いた。

 インターネットを取り締まる法律を制定する代わりに、ジュリアーニ氏は連邦政府と州政府の共同タスクフォースを結成し、情報を共有していくことを提案している。

 同氏はさらに、国内で上級学位を取得した外国人学生が米国にとどまり、仕事に就くのを許可する「H-1Bビザ」の発給数増加を求めて、テクノロジー関係者の歓心を買った。もっとも、共和党もしくは民主党の別なく、すべての大統領候補者が同様の意見を打ち出しているので、ジュリアーニ氏がH-1Bビザ発給数増加を訴えたのも特に不思議はない。米国の「経済は、まじめに働き、経済活動に重要な仕事を進んで担おうとする」合法的な移民を必要としていると、ジュリアーニ氏は話した。

 ただし同氏は、移民政策におけるテクノロジーの重要性に言及することで、他の候補者とは一線を画している。メキシコと米国の国境にフェンスを張り巡らせるのは当然として、ジュリアーニ氏は、センサーやカメラといった「仮想的なフェンス」が不法移民防止に一役買っていると評価した。

 また、アメリカに入国する外国人労働者に「偽造防止加工」IDカードを配布するのも、「合理的かつ良識的かつ効果的かつ生産的な」不法移民対策になるという。

 これら一連の技術プロジェクトのコストをまかなうためにも、自由貿易が重要になってくると、ジュリアーニ氏は持論の原点に立ち返る。「帳尻を合わせるには、より多くの売上げを海外で上げるしかない。燃費向上技術や医療ケア技術を販売するのである」(ジュリアーニ氏)

 こうした自説を展開することで、ジュリアーニ氏はテクノロジー業界に自分の株を売っているというわけだ。

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