「SaaSはソフトウェア市場の大きな潮流になる」――日本オラクル藤本氏SaaSの1年間を振り返る(2/2 ページ)

» 2007年12月28日 15時17分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

国内におけるSaaSへの要望

ITmedia パッケージを採用したいという要望に対して、要件を詰めたらSaaSのほうが適していることが判明することはあるのでしょうか?

藤本 CRMやSFAを導入したいという顧客のニーズに対して、業務革新や業務改善というレベルで顧客に合わせて提案することも、もちろんあります。けれども、今増えてきているのは、SaaSモデルで導入できるらしいから試してみたいというニーズです。SaaSというよりも、すぐに使えるソフトウェアがあるから使いたいというものです。こうしたニーズは、オラクルとしてもさらに詳しく分析する必要がありますが、ただ明らかにCRMやSFAで何とかしたい、というニーズではない部分で問い合わせがあり、受注につながっているケースは増えています。

ITmedia 経験としてはSaaSに適していても、実際の導入に二の足を踏むケースもあると思いますが、その理由としてはセキュリティの問題が大きいのでしょうか?

藤本 顧客から見れば、セキュリティが気になる問題であることは間違いありません。データの漏えいはありませんかとか、データが失われることはありませんかという心配の声を耳にすることはあります。その部分は、極端に言うと顧客が自社で管理するよりも安心できますと思わず言いたくなるほど、データセンターの安全性には自信を持っています。しかし、顧客からすれば、人に預けるという心理的な不安はあると思います。

ITmedia 最後に、これからのSaaS市場への期待を。

藤本 非常に期待しています。わたしたちもコアのアプリケーションのSaaS化を進めていますが、SaaSはソフトウェア市場の大きな潮流になることは間違いありません。

 ITは、顧客のビジネスに大きく貢献しています。しかしながら、ビジネスが成功したのはITのおかげだという意見を聞くことはありません。なぜなら、新規ビジネスのためのITに投資するよりも前に、既存のビジネスを支えるITの仕組みを運用していかなければならないからです。SaaSを採用すれば、既存のITの運用はベンダー任せにできます。そうなれば、コストと時間、人のリソースを新規のビジネスに向けられます。SaaSは、今後の企業のITを支えていくものですから、市場がますます伸びていくことを期待しています。

関連キーワード

CRM | Oracle(オラクル) | SaaS | SFA


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ