インタビュー
» 2007年12月28日 15時17分 公開

SaaSの1年間を振り返る:「SaaSはソフトウェア市場の大きな潮流になる」――日本オラクル藤本氏 (1/2)

日本オラクルが「Siebel CRM On Demand」で本格的なSaaSビジネスに参入して1年余り。その取り組みを踏まえ、日本のSaaS市場の現状とSaaSビジネスの今後について日本オラクルの藤本寛氏に話を聞いた。

[ITmedia]

急速に立ち上がった日本のSaaS市場

ITmedia 日本オラクルはこの1年、SaaSビジネスに取り組んできましたが、日本のSaaS市場は今、どのような状況なのでしょうか?

藤本 日本オラクルがSaaSビジネスに進出したのは2006年9月ですが、この1年余りで日本のSaaS市場は急速に立ち上がっているという印象があります。新規にビジネスを立ち上げた場合、最初の1年は非常に苦労するものです。しかしながら、なかなか結果が出ないというのが一般的ですが、SaaSの場合は明らかに結果が出ています。

 特に顧客単位で考えたとき、SaaSは顧客のニーズに応えられるまでに成長したという手応えを感じます。SaaSが出始めのころは「SaaSとASPはどう違うのですか」「本当に動くのですか」「セキュリティ大丈夫なのですか」という疑問が顧客から上がっていましたが、今はそうしたところから明らかに一歩前進し、顧客の選択肢の1つとして認識されるようになったことは事実だと思います。

 ただし、SaaSをパッケージソフトウェア、あるいはデータベースやミドルウェア上に自社開発したアプリケーションと比較すると、顧客のニーズにフルに応えるという面ではまだ十分ではないかもしれません。そのため、顧客の選択肢にはなったとしても、SaaSが選ばれるには、まだ壁があります。この壁を乗り越えるフェーズが、次の我々の大きなチャレンジになります。

日本オラクル執行役員アプリケーションビジネス推進本部長の藤本寛氏

ITmedia オラクルは、世界的にSaaSビジネスを展開していますが、海外市場と日本市場に違いはありますか?

藤本 今現在起きていることだけを見ると違います。海外でも北米は圧倒的に進んでいます。オラクルでもすでに、営業支援系ソフトウェアの受注金額に関しては、パッケージよりもSaaSが上回っています。受注金額が伸びている最大の要因は、大型案件が入り始めていることにあります。

ITmedia SaaSというソフトウェアの提供形態をよく理解していない企業はまだまだ少なくないと思いますが、そういう企業に対してはどのように説明していますか?

藤本 顧客にとっては、実はSaaSであろうとパッケージであろうと、単なるソフトウェアの提供形態の違いであって、あまり意味はありません。導入したソフトウェアによって何ができるか、例えばマーケティング活動がセールスにつながっているかどうかを可視化することができます、といった話のほうが重要になります。ですから、私たちは常に顧客が何を求めているのか、その要件を伺ってから、最適な提案をするようにしています。

 SaaSのみでソフトウェアを提供しているベンダーはパッケージの話はできませんし、パッケージしかなければSaaSを提案することはできません。オラクルでは、SiebelというCRMソリューションをパッケージとしても、SaaSとしても用意しています。顧客の要件に合わせ、最も適したものを提案できるわけです。

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