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» 2008年01月08日 15時58分 公開

2008年も“相互運用性問題”がオープンソース普及の障害に(2/2 ページ)

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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古いソフトウェアモデルの「崩壊」

 「しかし2007年はオープンソースにとって良い年だった」とロバーツ氏は話す。市場および業界全体を通じて普及が拡大する一方で、商用オープンソース企業がエンタープライズソフトウェア市場で急速な成長を続けたからだ。

 「モバイル市場ではGoogleのオープンソース構想であるAndroidや、ソーシャルネットワーキング分野ではOpenSocial APIなど、ほかの分野でもオープンソースの普及が拡大した。こういった成果が実現した背景には、伝統的なプロプライエタリソフトウェアモデルが崩壊したという認識がある。企業ユーザーはさらなるオープン性を求めている」(ロバーツ氏)

 同氏によると、GNU GPL(General Public License)のバージョン3の承認、および普及も2007年のマイルストーンの1つであり、これによりユーザーおよび開発者がフリー/オープンソースソフトウェアを利用する際の柔軟性と相互運用性が高まったという。

 企業のIT要求に対応したWeb2.0アプリケーションのビジュアル開発と迅速配備を可能にする技術を開発しているWaveMaker Software(旧ActiveGrid)のトッド・ヘイ副社長によると、2008年の牽引力になるのはAJAX(Asynchronous JavaScript and XML)とWeb2.0の技術だという。

 「今日、ますます多くのアプリケーションがWebベースになっており、Web2.0はこれらのアプリケーションのユーザーインタフェースに対する期待度を高めた」とヘイ氏は話す。「その結果、企業のIT部門は、ユーザーフレンドリーなAJAX環境の中でアプリケーションを迅速かつ簡単に構築、配備することができるツールを求めるようになるだろう。また、企業でのWeb2.0の普及のための2つの要件である『Web FastとCIO Safe』(Webアプリケーションの迅速な配備とCIOの基準への合致)を満たすアプリケーションの普及が拡大することも予想される」。

はびこる無法者

 さらにヘイ氏は、今年は、いわゆる“無法”技術――忙しすぎるIT部門の対応力不足を補うためにエンドユーザーによってインストールされた野放しのアプリケーション――の利用も増えると予想する。

 「こういった無法技術が企業内で勢力を拡大してくれば、企業はアプリケーションの移行および現代化のための予算を増やすようになるだろう」とヘイ氏は話す。

 オープンソースのデータ連携技術を手掛けるTalendの共同創業者のバートランド・ディアードCEOは、2008年におけるj市場の最大の牽引力はM&A(合併・買収)であると考えている。

 ディアード氏によると、Oracle、IBM、SAP、Hewlett-Packardなどの企業が今年も、ビジネスインテリジェンス、アプリケーションサーバ、CRM(カスタマーリレーションシップ管理)、データ連携などの分野でプロプライエタリベンダーの買収を続ける一方で、SAPによるBusiness Objectsの買収やOracleによるBEA買収の動きは、市場でのプロプライエタリソリューションの数をさらに減少させるという。

 「これらのベンダーが大企業をターゲットにしたプロプライエタリソフトウェアの巨大スイートを構築する一方で、SMB市場向けにはSaaS(Software as a Service)ソリューションを開発するというトレンドが続くだろう。技術面から見れば、各社は10年以上の年月を経た複雑なソフトウェアコードからなる成熟した製品を連携しようとしているのだ。もちろん、製品寿命の終了に伴う難しい顧客サポート問題もある」とディアード氏は指摘する。

 しかし顧客の選択肢が大きく左右されることはないという。これらの市場でのオープンソースソリューション/プロジェクトの成功と成熟化の継続が、こういったM&Aを促進するからだという。

 「最大の疑問は、どのスイートベンダーがソリューションの一部としてオープンソースを採用し、どのベンダーが今後もフラッグシップソリューションとしてプロプライエタリな巨大スイートを推進するのかということだ」(同氏)

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