10周年を祝うSametime、GoogleやSkypeとは違う?Lotusphere 2008 Orlando Report(1/2 ページ)

IBMは、Lotusphere 2008カンファレンスで、Lotus Sametimeの10周年を盛大に祝うとともに、今年に出荷を計画している「Sametime Advanced」と「Sametime Unified Telephony」のプレビューも行った。

» 2008年01月23日 07時35分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 「将来はもっとエキサイティングなことが待っている!」── 今年10周年のSametimeを統括するIBM Lotus部門のブルース・モース副社長は、早くも次の10年に目を向けている。

 IBMは1月22日、フロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドで開催中の「Lotusphere 2008」カンファレンスで、Lotus Sametimeの10周年を盛大に祝うとともに、今年に出荷を計画している「Sametime Advanced」と「Sametime Unified Telephony」のプレビューも行った。

結婚記念日のお祝いは10周年なら「アルミ」だそうだが、ステージには本来60周年の「ダイヤモンド」が大きく映し出された

 Lotus Sametimeの誕生は、1998年5月の2社買収まで遡る。Lotusは既にIBMの傘下にあったものの、まだ独立した子会社として活動していたころだ。奇しくも5月19日という同じ日に、ケンタッキー州レキシントンのDataBeamとイスラエルのUbiqueを買収した。前者がWebカンファレンス製品のベンダーであり、後者はインスタントメッセージングベンダーだった。

 コラボレーションのリーディングプラットフォームとしてその地位を確立していたNotes/Dominoだったが、「すぐに専門家の意見を仰いで顧客の問題を解決したい」といったリアルタイム性には欠けていた。Notes/Dominoを補完し、より幅広い企業のコラボレーションのスタイルをセキュアな環境で支援するのがSametimeの狙いだった。

 Notes/Dominoのスケジューラーを活用して参加者の空き時間を探してWebカンファレンスを予約する機能が用意されたり、Notes 5以降にはSametimeのアウェアネス(在席管理)の機能が組み込まれるなど、互いの統合も図られてきた。

NECもパートナーに名乗り

 10年の歳月が流れ、Sametime 8.0は音声やビデオも統合し、統一されたユーザー体験によってリアルタイムのコラボレーションを促進できる「ユニファイド・コミュニケーション&コラボレーション」(UCC)のプラットフォームとして進化を遂げた。その進化は、VoIPの普及と歩調を合わせており、コンピュータと通信の融合で生まれつつある新たな市場をターゲットとしている。

 IBMは、オープンかつ拡張可能なソフトウェアプラットフォームとして開発を進めることに努め、エコシステムを構築することにも成功した。Sametimeでは、400以上のパートナーからなるさまざまなソリューションが提供されている。

 Arcatel、Avaya、Cisco、Nortel、Simence、および3Comといった名だたる通信機器メーカーがパートナーに名を連ねているほか、今回のLotusphereでは、EricssonとNECが新たに名乗りを上げた。

 NECは、IPテレフォニーサーバである「UNIVERGE SV7000」を対応させ、同社のIP-PBXとSametimeの連携を可能にする。これにより、SametimeのインスタントメッセージングやWebカンファレンス、あるいはNotesの電子メールからワンクリックで電話を掛けられるようになる。

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