日本PGP、データ暗号化製品群のメジャーバージョンアップをリリース

日本PGPは、企業向けデータ暗号化製品群のメジャーアップデートとなる「PGP Universal 2.8」およびクライアント向け「PGP Desktop 9.8」を発売した。

» 2008年02月12日 18時52分 公開
[ITmedia]

 日本PGPは2月12日、企業向けデータ暗号化製品群のメジャーアップデート版となる「PGP Universal 2.8」およびクライアント向け「PGP Desktop 9.8」を発売した。

 PGPは、公開鍵暗号方式を採用した暗号ソフトウェア。日本PGPは、2006年11月に同技術を利用して、暗号鍵やユーザーの管理、プロビジョニング機能などを加えたプラットフォーム製品群の日本語版を発売。国内では1200社以上が導入しているという。

 今回のメジャーアップデートでは、データやユーザーの管理機能の強化、暗号化された電子メールの安全な閲覧方法の拡充、対応OSの拡張などが図られている。

 暗号化された電子メールでの閲覧では、PDFファイルを利用して、PGPプラットフォームを導入していないメールの送信先が安全に電子メールを閲覧するための方法が、電子メール暗号化ソフトウェア「PGP Universal Gateway Email 2.8」追加された。

 新機能は、まず送信する電子メール全体を暗号化してPDFファイルに変換する。送信先に対しては事前に暗号を解除するためのパスフレーズをPGP Universalに登録するよう求める通知メールが送信される。送信先が登録を完了すると暗号化されたPDFファイルを添付している電子メールが送信される。受信者は、PDF Readerで添付ファイルを開き、登録したパスフレーズを入力すると、本来のメール内容を閲覧できるようになる。

受信者が予め設定したパスフレーズをPDF Readerに入力するだけで、暗号化された電子メール全文を閲覧できる。なお、PDFファイルを添付した電子メールを暗号化する場合はPDFファイルのみを暗号化する。WordやExcelを添付する場合は、添付ファイルを含めたメール全体をPDFファイル化して暗号化するという

 新機能を利用して、例えばオンラインショッピングサイトが個人情報を含んだ明細書の電子メールをユーザーに対して安全に送信できるようになるという。日本PGPの浅井政浩代表取締役は、「暗号化した電子メールとは別に解除用パスワードを記した普通の電子メールを送るのが一般的だが、これでは情報保護対策として実質的には機能しない」と述べ、新機能が電子メールの安全な利用につながると説明した。

 この機能は送信専用となるため、電子メール受信者が同様の形態で暗号化して返信することはできないが、機密性の高い情報を含んだ電子メールを数多く送信する場合に有効な対策になるという。

 このほか、PGP Universalでは管理者によるクライアント機能のオン/オフの切り替え操作、セキュリティポリシーやシステムのパフォーマンスの監査を支援するダッシュボード機能などが追加された。また。Active DirectoryやLDAPとの連携に対応した。PGP Desktop 9.8では、スマートカードへの対応やユーザー管理機能の拡充、Windows Vista、Mac OS X 10.5への対応が図られている。

フィリップ・M・ダンケルバーガー社長兼CEO

 米PGPのフィリップ・M・ダンケルバーガー社長兼CEOは、「大手企業での採用拡大が続いている。NECやIBMとも提携を結んでおり、日本市場での製品展開をさらに拡大させたい」と話している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ