ライバルは自社開発システム――日本オラクルがPLM戦略

日本オラクルは記者向けのブリーフィングを開催し、今後のPLM(製品ライフサイクル管理)戦略について説明した。最大のライバルは企業の自社開発システムだという。

» 2008年02月15日 21時41分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本オラクルは記者向けのブリーフィングを開催し、今後のPLM(製品ライフサイクル管理)戦略について説明した。同社は2007年5月にPLMソフトウェア専業のAgile Software Corporationを買収し、PLMへの本格的な取り組みを表明していた。

 米Oracleのプロダクト&インダストリー部門担当副社長、クリス・ファリナーチ氏は「最大のライバルは企業の自社開発システム」と話す。

PLM、SCMなどのソフトウェア市場で17年の経験を持つファリナーチ氏

 PLMソフトウェアにはCAD、BOM(部品管理表)の最適化などいくつかの機能があるが、ユーザー企業が自社で開発したソフトウェアとの差別化が重要だとしている。Oracleのアプリケーション統合アーキテクチャ(AIA)上で、E-Busines Suiteなどのアプリケーションとの連携を進めることで、構築やメンテナンスの簡単さなどパッケージソフトウェアの利点を強調する考えだ。もちろん「SAP顧客のOracleへの誘導も積極的に進める」としている。

 ブリーフィングの中で同氏は、製造業が扱う製品が複雑化する中で、企業にはグローバルな製品開発、新製品投入までの期間短縮、製品についてのコンプライアンス対応などが課題になっていると指摘した。

 PLMがそうした課題を解決する手段になるという。PLMは、製造業をはじめとした企業が製品開発において管理する顧客、設計、コスト、サプライヤー、サービス、コンプライアンスといったさまざまな情報をネットワーク化してまとめ、最善の意思決定ができるようにするためのソフトウェアだ。

 買収されたAgile出身のファリナーチ氏は「Oracleが買収したことによってAjileを世界で使ってもらえるようになった」と評価している。

 Ajile PLMが得意とする業種はハイテク、医薬品、自動車などの産業機械など。ハイテク業界は設計、製造プロセスの改善、医薬品業界は品質などについてのコンプライアンス対策にPLMを導入するケースが多いという。ハイテクでは米Cisco、Siemens、日系ではNEC、シャープなど、医薬品ではJohnson & Johnson、産業機械ではMagna Steyrなど合わせて1300社以上が利用している。

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