富士通が4年ぶりに首位、2007年国内サーバ市場

IDC Japanは2007年通年の国内サーバ市場動向を発表した。2007年の国内サーバ市場規模は6364億円となり、前年と比較して6.0%縮小した。

» 2008年02月29日 17時42分 公開
[ITmedia]

 IT専門の調査会社であるIDC Japanは2月28日、2007年通年の国内サーバ市場動向を発表した。2007年の国内サーバ市場規模は6364億円となり、前年と比較して6.0%縮小した(図)。

 2004年から2006年は3%未満の微減が続いていたが、2007年はそれよりも減速した。2007年通年の出荷台数は60万台で、前年比2.9%の減少となった。出荷台数のマイナス成長は2002年以来5年ぶり。

 出荷台数も前年割れとなった。高成長を続けていたx86サーバが前年実績を下回ったことによるという。IDC Japanサーバ グループマネージャー中村正弘氏は「2007年は、x86サーバが更新需要の谷間にあたった。これは周期的な要因であり、x86サーバの需要そのものが冷え込んでいるわけではない。出荷台数の落ち込みは一時的な現象とみていい」と説明している。

 出荷金額でみると、x86サーバはプラス成長を維持した。中村氏は「2007年は、デュアルコアおよびクアッドコアのプロセッサを搭載した製品が主流になった。これに伴い、ユーザーはプロセッサ性能に見合った容量のメモリやストレージを装備するようになり、結果としてx86サーバの単価が上昇した。出荷台数が減少したのに出荷金額が増加したのはこのため」としている。

 また、2007年は、メインフレームやビジネスサーバといったプロプライエタリ製品が大きく落ち込んだ。2006年が堅調だった反動が現れたとしている。RISC&IA64サーバも2年連続のマイナス成長だった。

 ベンダー別では、富士通が4年ぶりに首位を奪還した。x86サーバが好調だったという。前年まで3年間首位を守っていた日本IBMは2位に後退。メインフレームは堅調だったが、x86サーバが不振だった。日本HPは5年連続で3位。デルがサン・マイクロシステムズを抜いて6位に入った。一方、2007年通年の総出荷台数では、日本HPが初めて1位を獲得。x86サーバで出荷台数を大きく伸ばした。

 IDC Japanは、2007年第4四半期(10-12月)の国内サーバ市場動向を発表した。これによると、2007年第4四半期のサーバ市場規模は1536億円で、前年同期実績を0.4%上回った。プラス成長は6期ぶりという。出荷台数は15万台で前年同期比3.7%増。3期続いていたマイナス成長から抜け出た。

 2007年第4四半期は、x86サーバが好調だった。出荷台数は、回復傾向に転じた前期からさらに改善し、前年同期比4.5%増となった。「x86サーバは、2006年第3四半期から始まった需要停滞期を脱し、増加基調に戻った」と中村正弘は指摘している。今期は、メインフレームが堅調で、前年同期並の出荷金額を確保した。

 ベンダー別では、日本IBMが2期ぶりに首位に復帰。前期1位だった富士通は4位に下がった。2位は日本HP、3位はNECだった。2007年第4四半期は、x86サーバ出荷台数で日本HPが初めて1位を取った。日本HPは、2007年に入ってからNECとの差を詰め、ついに逆転したという。NECがトップの座を明け渡すのは、2005年第2四半期以来としている。

 なお、x86サーバは、x86アーキテクチャのプロセッサを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバを指している。Itaniumプロセッサを搭載したサーバやベンダー独自OSを搭載したサーバはx86サーバに含めていない。

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