Cisco、エンタープライズテレフォニー市場で2位に浮上

Ciscoは、Alcatel-Lucent、Avaya、Nortel、Siemensから市場シェアを奪っている。

» 2008年03月04日 06時29分 公開
[Paula Musich,eWEEK]
eWEEK

 Infonetics Researchの最近の調査によると、Cisco Systemsは全世界のエンタープライズテレフォニー市場のシェアで第5位から一気に第2位へと飛躍した。

 Infoneticsは2月28日に公表した「Enterprise Telephony」レポートの中で、CiscoはAlcatel-Lucent、NortelおよびSiemensを追い抜き、市場リーダーのAvayaに続いて2番目に大きな市場シェアを確保したと述べている。

 「Ciscoは競合各社から少しずつ市場シェアを奪った」とInfoneticsでエンタープライズ音声/データ分野を担当する主任アナリストのマサイアス・マチョウインスキー氏は説明する。Cisco以外の企業は「シェアを0.5%ほど失ったか、現状維持にとどまった」という。2006年に2位につけていたのはAlcatel-Lucentだった。

 2007年のエンタープライズテレフォニー市場全体の規模は、2006年を6%上回る96億ドルだったのに対し、従来のTDM(時分割多重)方式のPBXの市場は20%縮小し、10億ドルをわずかに上回る程度になった。

 2007年10〜12月期の市場全体の規模は24億ドルと前期比で7%の減少となった。マチョウインスキー氏によると、これは最近の傾向だという。

 特にIPソフトフォンの市場は2007年に急激な成長を示し、販売数は55%増の38万5000ユニットとなった。マチョウインスキー氏によると、これはユーザーがIPテレフォニーの真の恩恵に気づき始めたことを示すものだという。

 「ソフトフォンはIP電話よりも豊富な機能を実現でき、生産性の向上を可能にする。今後、電子メールとIMにプレゼンス機能を統合したユニファイドコミュニケーションがさらに普及するだろう」と同氏は話す。

 IP電話とソフトフォンの全世界での出荷数は、2006年から2007年にかけて29%増加した。

 Infoneticsでは、エンタープライズテレフォニー市場が今後2年にわたって2桁成長を続け、2011年には1桁成長に減速すると予測している。「ハイブリッド型と専用型のIP PBXは、この期間を通じて2桁成長を維持する可能性が高い。その後、ハイブリッド型から専用型のIPスイッチへの新たな移行が進むと考えている。レガシーベンダーの多くが専用型のIPシステムを提供するようになるだろう」とマチョウインスキー氏は予測する。

 2007年にはハイブリッド型のIP PBXは、全タイプの製品の出荷数の3分の2を占めたのに対し、IP PBXの割合は18%だった。また、昨年はTDM PBXの売り上げが10億ドルに達した最後の年になるという。「この市場は2011年には1億ドルに縮小するだろう。平均で毎年50%減少している。その穴を埋めているのがIPスイッチング製品だ」(同氏)

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