2007年の国内PC市場、プラス成長は富士通、HP、アップル

IT専門の調査会社IDC Japanは、2007年通年の国内PC市場実績について発表した。2007年の出荷台数は前年比1.0%減の1414万台だった。

» 2008年03月04日 14時27分 公開
[ITmedia]

 IT専門の調査会社IDC Japanは3月4日、2007年通年の国内PC市場実績について発表した。2007年の出荷台数は前年比1.0%減の1414万台だった。

 ビジネス市場は、前年比3.1%減の867万台と2年連続のマイナス成長。ただし、2007年第4四半期のビジネス市場は、前年同期比9.1%増であり、5四半期ぶりにプラスに転じているという。

 一方、家庭向けでは、2006年のトリノオリンピックなどの影響で家電製品に個人消費が流れたが、2007年にはWindows Vistaの発売もあり、特に持ち歩き用のPCに需要が戻った。だが、薄型テレビの低価格化がデスクトップの需要に影響を与えたため、家庭市場は546万台、前年比2.6%増と若干のプラス成長にとどまったとしている。

 発表文の中で、IDC Japan PCs グループマネージャーの片山雅弘氏は「ビジネス市場では買い替え需要が立ち上がりつつある。2008年にはさらに買い替え需要が促進され、その需要がPC市場全体をプラス成長に導く構造になるだろう」と分析している。

 ベンダー別では、2006年と比べ、上位10社の中で順位の変動はなかった。2007年の国内PC市場では、上位10社のうち富士通、HP、アップルが前年比プラス成長となり、シェアも伸ばした。2位の富士通は、2007年第4四半期に前年同期比で30.7%増と高い成長を遂げ、2007年第4四半期だけで見るとシェア1位となった。

2007年 国内PC市場ベンダー別出荷台数

 その他のベンダーはマイナス成長だった。これまでシェア重視であったベンダーが選択と集中を進めるなど、収益を重視する傾向が出てきているという。2008年は、ベンダーごとに民間、官公庁などのセグメント別のすみ分けがますます鮮明になるとしている。

 IDC Japanは2008年の国内PC市場を前年比2.9%増の1455万台と予測している。家庭向けは北京オリンピックの影響を受け成長が期待できない半面、ビジネスは買い替えの周期性により、プラス成長を持続するという。

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