開発者はWebと動的言語を志向――調査で明らかに（2/2 ページ）

[Darryl K. Taft，eWEEK]

HTMLの領土に進出

　SitePenに勤務する開発者で、オープンソースのJavaScriptツールキット「Dojo Toolkit」の共同作成者であるアレックス・ラッセル氏は、「Webは人気の高いアプリケーション開発プラットフォームだ。広範なリーチがあり、制約が少ない合理的なプラットフォームだが、開発者にとって決して素晴らしい環境だというわけではない」と指摘する。

　ラッセル氏によると、今日、HTMLほどダイナミックな広がりを持ったプラットフォームは存在しないという。「しかしこの状況も、徐々に変化しつつある。ほかの言語がHTMLの領土に進出しようとしたり、FlexやSilverlightのように高度なユーザー体験を提供することによってHTMLを追いやろうとしている。だがHTMLほど素早くアプリケーションを立ち上げられる環境はほかにない」（同氏）

　「MicrosoftやAdobeなど、Webが良くなることによって失うものが最も大きい企業が、Webが当分の間、アプリケーション配備の“殻”になることを暗黙のうちに認めているのは面白い」とラッセル氏は話す。

　ガルブレイス氏によると、AIR（Adobe Integrated Runtime）とFlex 3が出荷された今、「彼らがWebプラットフォームの圧倒的な市場支配に風穴を開けることができるかどうか興味深いところだ」という。

　同氏のいう「Webプラットフォーム」とはHTML/CSS（Cascading Style Sheets）プラットフォームを意味しており、これを「オープンWeb」と呼ぶ人もいる。

　「また、Apple、Microsoft、Adobe、Sunなどの企業は、新タイプのリッチなユーザーインタフェースの普及を熱心に推進しており、既存のブラウザインフラ上で全世界のユーザーにこういったエクスペリエンス提供するプラットフォームとしてAdobeが圧倒的に有利な位置にいるという状況の中、これらの企業はユーザーインタフェースに対する期待の高まりという波に乗り、AJAXの人気に割り込んでくる可能性もある。今後の展開は不明だが、MozillaやGoogleなどの企業は同じくらい熱心に、そういったことが起きるのを阻止し、オープンなWebがプロプライエタリな開発プラットフォームにリプレースされるのを防ごうとしている」とガルブレイス氏は話す。

　一方、動的言語の勢力拡大の主な理由として、レシッグ氏は「ほかの多くの言語の厳密性と比べ、動的言語はシンプルなのが魅力だ」と指摘する。「RubyやPython、PHPなど多くの動的言語は敷居が低くて制約が少なく、コミュニティーの貢献を促す」。

　ラッセル氏も同じ考えだ。「Ruby、Python、PHPなどの動的言語は、CPUの処理パワーの向上によって複雑性を克服している」と同氏は話す。

　「PHPはおそらく、JavaScriptに次いで最も人気の高い動的言語だろう。コンパイルサイクルが不要だというのも人気の理由の1つだ」とラッセル氏は付け加える。

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