悪戦苦闘の開発プロジェクト体験研修――日本オラクル新人社員の声を聞け(2/4 ページ)

» 2008年03月05日 00時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

オラクルの戦略やビジョンを徹底

――ORACLE MASTERの取得は必須なのですか?

一同 そうです。

 ブロンズ(資格難易度の1つ)までは必須です。

井上 期限が決められていて、それまでに取得できないとペナルティーが科されました。

影山 ただし、e-ラーニングなどは充実しているので、自分で時間を見つけて勉強していました。

岩本 勉強する環境は整っていましたね。

川本 とにかく、時間の確保が大変でした。

影山 研修だけでも午後7〜9時まであるので、その後にも勉強しました。

――そのほかに特徴的な研修はありますか?

田中 自社のリサーチをしました。コンピュータサイエンスを勉強していたなど、既にオラクルに精通した人もいます。しかし、オラクルは製品がたくさんあるし、事業も多岐に渡るので、学生時代には深く知れなかったこともあります。今オラクルがどこを目指しているのかなどを調査したり、いろいろな職種の人たちにインタビューしたりして、それを発表しました。

岩本 また、そのプレゼンがコンペになっていました。

田中 その時に、初めて研修スタッフの方以外の社員と触れ合う機会ができました。研修中は、同じ場所にこもりきりなので、インタビューの機会に外へ出て、ほかの社員の方と触れ合いました。

川本 その時にコミュニケーションをとった社員の方とは、今でも仲良くしてもらっています。

井上 この研修で勉強になったのは、会社のビジョンや戦略もプレゼンしなくてはならなかったことです。それを知るために自社のWebサイトを徹底的に調べました。今会社がどういう方向に進もうとしているのかをリサーチすることで、入社すぐに戦略や将来性を理解できたのは大きかったです。

影山 そのほか、研修では「お互いにフィードバックしなさい」と教えられました。例えば、プレゼンをした時に全員からそれぞれA4用紙1枚ずつフィードバックがきました。この話し方は良くないとか、この説明の仕方は見事だったとか。プレゼンのコンテストでもフィードバックをもらいますし、グループワークでも毎週のミーティングで「今週はここが良かった、ここが悪かった」とお互いに言い合います。こういう経験は学生時代にあまりできないし、特にまだ会って間もない人とそういう議論をしたことがなかったので、最初は戸惑いました。

岩本 研修でそういう経験を積んだので、普段の業務でもA4で渡すまではいかなくとも個人個人でフィードバックしやすい環境を作ることができました。

どんなことでもフィードバックするのが習慣に どんなことでもフィードバックするのが習慣に

製品ラインアップの多さに苦労

――IT業界に入って、大変だったことと楽しかったことを教えてください

 オラクルには、在宅勤務プログラム「Work@Home」という制度があります。きちんと認められた業務にかんしては自宅で仕事ができます。仕事とプライベートを両立できたのが良かったです。大変だったのは、製品知識の習得です。どのお客様やパートナーよりも担当製品については詳しく知らないといけないので、マニュアルを読み尽くして、自分でも検証を重ねて、知識を蓄積しなければならないのが大変でした。

田中 同じく、製品知識を身に付けるのが大変でした。コンサルタントとしてお客様のところに入るわけですから、先方から製品のことは知っていて当然と思われています。新入社員として最初にこれが大変でした。ただし、単に製品知識を持っているだけでなく、それを基にソリューションを組み立ててお客様のニーズにうまく当てはめることができた時にやりがいを感じます。

川本 オラクルのことは何でも知っていることが前提に会話が進んでいきます。それについていくための勉強が大変でした。一方で、お客様が抱えている問題を解決した時の達成感はひとしおでした。相手にも喜んでもらえた時に、コンサルタントで良かったなと感じました。

岩本 同じく製品知識の習得が大変でした。IT業界自体、移り変わりが激しいので、オラクルもそれに合わせて新しい製品や新しいバージョンを出していきます。今いる部署はパートナー様の技術者の方と一緒に検証するので、技術力が高くないといけません。米国本社とやりとりをするなど、さまざまな方法で知識を吸収しなくてはならないのが大変です。

 逆に楽しかったことは、パートナー企業の製品、例えばサーバやストレージなど、そういう知識も習得できることです。オラクルはソフトウェア企業なので、どうしてもソフトウェアの技術が中心になります。そうすると、ハードウェアなどに目が届きにくいです。パートナー企業と仕事をすることで視野が広がりました。

影山 お客様を対象にしたセミナーの運営が大変です。学生の時は失敗しても「難しかったからね」と許してくれると思いますが、仕事では絶対に失敗できないというプレッシャーを感じます。責任感の大きさに苦労しています。

 楽しかったのは、次々に新しい製品が登場してくるので、ずっと同じことばかりではなく、常に新しい勉強ができることです。

井上 きつかったことは、入社してすぐにITのスペシャリストとしてお客様の前に立たなくてはならないことでした。ITのスキルや技術のキャッチアップが大変でした。楽しかったことは、ITを使ってお客様の業務の効率化を考え、実際にお客様に納得してもらった時です。

――特にオラクルは製品ラインアップが幅広いので、まずは知識の習得が大きな壁かもしれませんね

川本 DB担当といっているのですが、お客様からはほかの製品についても当たり前のように質問されます。DB製品だけ勉強していてもだめだと痛感しますね。

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