バーチャルな世界でビジネスをするには(2/4 ページ)

» 2008年03月13日 08時00分 公開
[Dave Greenfield,eWEEK]
eWEEK

 仮想世界と投影世界でも、最終的にはモバイル性が重要な役割を果たす。仮想世界は既に、スマートフォンと融合し始めている。例えば、Volleeは、2月に開催されたGSM Mobile CongressにおいてSecond Life用のモバイルクライアントを発表した。

 こういったアプリケーションは、ユーザーが外出先から仮想作業空間にアクセスすることを可能にするだけでなく、ユーザーの現実のプレゼンスをオンライン世界に反映させることもできる。ユーザーの居場所が分かれば、仮想コラボレーション空間の現実感も向上する。例えば、ユーザーがコーヒーメーカーの前にいる場合、それを仮想世界に反映させ、コーヒーメーカーの前にいるほかのユーザーと仮想世界の中でカジュアルな会話を交わすといったことも可能だ。

 仮想世界や投影世界のモバイルバージョンと正反対のアプローチが拡張現実である。拡張現実は、物理世界(外界)に仮想情報を重ね合わせる(拡張する)ウェアラブルデバイスを使用する技術である。Microvisionの「Mobile Device Eyeware」などの拡張現実技術では、RFIDタグなどの物理的ハイパーリンクを埋め込んだ物に関する情報がヘッドアップディスプレイに投影表示される。

 4番目のタイプの仮想空間であるライフログは、個人あるいは物の履歴を記録することにより、上記の世界のそれぞれにおいて重要な役割を果たす。

 ライフログではセキュリティとプライバシーをめぐる問題も多いが、メリットも大きい。

 ライフログ技術を利用すれば、個人が自分自身や自分の会社に対してより良い判断を下すのに履歴情報が役立つ可能性がある。例えば、「TrackStick」はGPS座標に基づいて移動物の経路を記録し、この情報をGoogle EarthやVirtual Earthに送信する。また、車載カメラは自動車に関する連続的な情報を収集し、窃盗に対して効果的な防護手段を提供する。NikeとAppleは、ランニングデータを記録する「Lifelog」スニーカーの開発で提携した。

現実問題と仮想ソリューション

 仮想世界は、各種の3D Web技術の中で最も広範に普及した(といってもあくまで相対的なものだが)。今日の企業が直面する多くの問題に対処するからである。

 従業員の分散化が進むのに伴い、チーム体験を構築する上で非常に重要であるカジュアルな対話が失われがちだ。Qwestの元アウトソーシング担当重役で、現在はAssociation of Virtual Worldsの会長を務めるデイブ・エルコーネス氏が「グローバルロビー」と呼ぶソリューションは、こういった問題に対処しようというものだ。

 「本当の仕事は3時間の会議の中で行われるのではない。アイデアの共有や仕事の遂行を可能にするのは、ロビーでのちょっとした出会いや、相手のオフィスに“立ち寄ったり”することなのだ」とエルコーネス氏は話す。

 仮想世界は、企業がこういった対話の機会を作り出すのに役立つだけでなく、さまざまなアプリケーションの情報を表示、操作することも可能にする。例えば、Crown Plazaは、ユーザーがSecond Life内で仮想会議室を予約できるようにしている。これらの会議室では、ストリーミングオーディオ/ビデオなどのアプリケーションやPowerPointスライドを壁に表示することができる。

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