数々の新機能を提供するFirefox 3β4Super Review(2/3 ページ)

» 2008年03月17日 14時45分 公開
[Nathan-Willis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

インタフェースの合理化

 Firefox 3での変更点として最初に目を引くのはおそらくGUIだろう。基本のブラウザウインドウのナビゲーションツールが変更されたほかにも、ダウンロードマネージャとアドオンマネージャが強化されている。またインタフェースのすべての要素について、利用しているOS固有の環境との統合が向上した。

 基本的なナビゲーションについて言えば、ほとんどの場合は余分な存在だった「Go」ボタンがなくなった。ただし適切な場合には、URLを入力したときにロケーションバーに「Go」ボタンが表示される。「次へ」ボタンと「戻る」ボタンとそれらのドロップダウン履歴は、通称「キーホール」と呼ばれている1つのものにまとめられた。キーホールにはドロップダウン履歴リストが1つだけあって、閲覧中のURLが現在位置としてハイライトされる。

 ロケーションバー自体についても、Mozillaの開発者たちに「Awesomebar」と呼ばれるほどの大幅な模様替えが行われている。まず始めにロケーションバー(検索バーも)のサイズを変更することが可能になった――グラブして引っ張るだけで変更できる。より重要なこととして、URLの自動補完機能が強化された。ロケーションバーで入力を始めると、その下に候補が表示される――ただし、訪問したことのあるURL/ページのタイトル/ブックマークから一致するものを探すとき、当該テキストの最初の部分に限らずどこかで一致するエントリを見つけることができるようになった。各候補についてページタイトルとURLの両方が表示されて、一致する部分がハイライトされるので、一致する部分が異なる場合に視覚的に区別がつきやすくなっている。

新しいアドオンマネージャ

 新しいアドオンマネージャは、プラグインに加えて拡張/テーマ/言語/検索エンジンも管理できるので、Firefoxの全アドオンのための単一のマネージャとなっている。またMozillaの公式サイト経由で提供されているアドオンについてはアドオンマネージャ自体の中からインストールできるため、これまでのようにブラウザのウインドウでサイトを開く必要がなくて便利だ。サードパーティーのアドオンのインストールについても、承認サイトのホワイトリストが廃止されたことで、より簡単にできるようになった。

 Firefox 2の必要最低限の機能しかなかったダウンロードダイアログはダウンロードマネージャへと進化して、すべてのダウンロードの進捗をステータスバーで確認したり、ダウンロードの一時停止後、セッションを終了/再開後にダウンロードを再開したり、ダウンロードしたファイルを検索したりできるようになった。

 またさまざまなタイプのファイルについての「ダウンロード動作」の設定(すなわち、あるタイプのファイルについてFirefox内で開くのか外部アプリケーションを選択するのか)の指定がより簡単にできるようになった。そして今回はじめてこの設定にポッドキャストやビデオポッドキャストのサポートが追加された。さらに、特定のファイルのタイプについてデフォルトで起動するアプリケーションとして、デスクトップアプリケーションを指定するのとまったく同じようにWebアプリケーションを指定することも可能になった。

 最後になったが非常にうれしいこととして、Firefox 3ではOSとの統合に関してかなりの向上が見られる。Linux上での大きなニュースは、ボタン/メニュー/タブ/フォームのすべてについてネイティブのGTK+ウィジェットを使用するようになったことだ。これにより特別なテーマを使用するという方法を取らなくてもFirefoxがネイティブのアプリケーションのように見えるようになった。また印刷/ファイルのオープン/保存ダイアログについても、独自のダイアログに代わってネイティブのものになった。WindowsとMacについてもOSとの統合が向上しているが、Linuxと比較すると変更点の数は少ない。

新機能

 Firefox 3ではインタフェースの改良に加えて、まったく新しい機能も幾つか登場している。

 前リリースでもWebページのフォントのサイズを大きくしたり小さくしたりできたのだが、この機能がさらにパワフルなフルページズームに置き換えられた。フルページズームでは、描画されたページ全体――画像やレイアウトも含めて――の大きさを変更できるので、テキストだけを拡大した時のように読みやすさが失われることなく、読みやすい形でページを拡大できる。

 また細かいが非常に便利な新機能として、複数テキスト選択機能がある。クリップボードにテキストをコピーする際に、コントロールキーを押し放しにすることで、連続していない複数の領域を選択できるようになった。

新しいブックマーク管理インタフェース

 さらにFirefox 3では、ブックマークの操作に関しても幾つか新しい点がある。Firefox 2でもブックマークツールバーにページをドラッグしたり、適切なキーを入力したりすることでページをブックマークできたのだが、それらに加えてロケーションバーの中の新しい星形アイコンをクリックすることでもブックマークを追加できるようになった。またFirefox 3のブックマークは、タグをサポートしている。タグを使用するかどうかは任意のため、これまで通りの方法でブックマークを使い続けることも可能だが、ブックマークのタグを検索したり、Awesomebarの候補としてタグとの一致も表示されたりするようになった。最後に、ユーザーのブックマーク作業を自動的に記録する「最近追加されたブックマーク」と「最近タグをつけたブックマーク」という便利なフォルダが利用できるようになった。

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