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» 2008年04月04日 17時50分 公開

オルタナブログ通信:ネット配信戦争勃発?! YouTubeのAPI公開と、NHKのネット戦略 (2/2)

[森川拓男,ITmedia]
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YouTubeのもくろみと、テクノロジーと著作権

 筆者は見なかったのだが、小林啓倫氏「シロクマ日報」NHKのもどかしさを感じた、放送記念日特集「新動画時代」によると、「放送記念日特集〜新動画時代 メディアが変わる」というNHKスペシャルは興味深い内容だったようだ。これからのNHK改革の中で、そのもくろみが実現していくのか……、見守っていきたい。ネットと放送については、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」通信と放送の融合政策2.0の具体論に向けてでも、まとめられているので読んでほしいと思う。

 動画共有サイトの雄であるYouTubeの動きも見逃せない。ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」YouTubeの新APIは「合法化への布石」?では、YouTubeのAPI公開の真の狙いは、法的リスクを回避する目的にあるのではないかという指摘をしている。

 動画共有サイトといえば、著作権法との絡みが切り離せないが、著作権法を改正すればすむのかというと、決してそうではない。このことは、栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」「著作権法を変えればそのまま流通が増えるのかというと、そんなことはない」は正論であるで触れられている。

 混乱状態にある国会では、いつ議論されるのか分からないが、きちんとした法整備はしてもらいたいものだと思う。

新銀行東京と400億円の行方

 経営難に陥った新銀行東京へ400億円を追加出資する問題は、3月26日公明党が自民党と共に賛成に回ることで可決された。

 谷川耕一氏「むささびの視線」400億円を棄損させないとは具体的にどういうことなのかでも触れられている、「付帯決議」を付しての賛成だそうだ。しかし、そもそも新銀行東京の設立時にも同様の決議が付されていたといい、無駄になるのか分からないということは変わりないようだ。

 今回の石原都知事の対応を見ていて、筆者はあることに似ているような気がしてきた。それは、自分から先制して起こした戦争なのに、その後処理をしなければならないからと日本を含む諸外国を巻き込んでいるブッシュ米大統領だ。新銀行東京も、専門家の懐疑があったにもかかわらずに開業し、結果的に破たんしかけている。しかも、ここで破たんしてしまえば都民に迷惑がかかると言って、金を出させるわけだ。さらに、400億という額の根拠すらはっきりしない。

 この追加出資で新銀行東京がどうなっていくのか。決めた以上は自民党・公明党はしっかり監視してほしい。

「CAPTCHA」の文字が読めますか?

 ブログなどへコメントや、何らかのサービスに新規登録するとき、変形文字が表示される「CAPTCHA」という技術が使われるケースが増えている。しかし、これには問題も多い。

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」「CAPTCHA」の文字が読めない、、、ときもあるでも指摘されるように、アクセシビリティ的な問題があるのだ。

 筆者も、たまに「これは何と読めばよいのかな?」と迷ってしまうことがある。それが、高齢者だったり、視覚障害者だったりした場合はどうなるか。中には、複数の色を交える場合もあるが、色覚異常を抱える場合はどうだろうと思うこともある。

 こうやって、肝心なユーザーが使いづらい反面、結果的に攻撃を受けて破られてしまう現状があるという。これはいかがなものだろうか。

 今後、新しい仕組みが作られるのだろうが、機械的に自動読み取りはできないが、アクセシビリティに配慮したものになってくれることを願うばかりだ。

mixi規約改悪問題

 さて、4月1日からの新規約案を提示したところで多くの反感を買っていたmixi。結局、3月19日に修正案を提示して、権利はすべてユーザーに付随することを条文に明記した。事実上の撤回だ。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」mixi規約改悪問題 結局...でも指摘されたように、ユーザーの勝利である。

 しかし、何でmixiが数年前にブログサービス近辺で問題となったこととまったく同じことをやってしまったのかが分からない。

 谷誠之氏「谷誠之の 「カラスは白いかもしれない」」で、恐ろしいまでの論旨のすり替えに注意という興味深い投稿があった。これによると、マイクロソフトのWebサイトで、いかにもWindows XPとWindows Vistaの比較をしているようで、その実はWindows Vistaしか選べないような、巧妙な誘導をやっているというのだ。

 もしかすると、mixiはさり気なく自分の思う方向に誘導できるのでは、という期待があったのかもしれない。これまでと違って長くしっかりした規約にすれば、隅々まで目を通す人はなく、見逃されるのではないかと。もちろんmixi側に、ユーザーの投稿を悪用する気はさらさらなかっただろう。本当に、サーバのデータ移動などに支障を生じると思っただけなのだろう。しかし、禁断の1文を使えばことが足りると思ったのだろうか。最終的にmixiは巧妙な誘導をするつもりが、誤解を受けるばかりで、撤回を余儀なくされた。

 これは、企業がいったいどこを向いてサービスを提供していくべきかということを、あらためて考える好例となった。特にネットサービスではユーザーが一番である。ユーザーがいなければ、広告は取れないし、収入もない。そのユーザーをないがしろにしてはユーザーに逃げられてしまう。当たり前のことだが、それができていないのが、サービス事業者なのかもしれない。いまいち度、原点に立ち戻り、ユーザーを大事にする立場を明確にすれば、ユーザーを逃がすことはないはずだ。

 最後に3つほど、このほかに気になった投稿を紹介したい。

 高橋徹氏「代替案のある生活」やあ、金田一さん、お元気でしたか?は、筆者も大好きな作家なので同士を見付けた思いがして何となくうれしかった。

 松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」イマドキの中学生はUSB充電器を授業で作るには、とにかく時代を感じた。筆者の時代は……ドライヤーなど作っただろうか。

 中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」【330.1枚】 強制すればするほど進まない気がする、レジ袋削減には、ただ同感だ。レジ袋を有料にすればいいというものではないと、筆者も感じる。もちろん、無駄は省かなくてはならないが。

 以上、3月20日から3月26日にかけてオルタナティブ・ブログに170余りの投稿された中から、筆者の視点でいくつかピックアップさせていただいた。

 しかし、本稿ではその中からごく1部しか取り上げることができなかった。少しでも「オルタナティブ・ブログ」に興味を持っていただけたならば、ぜひほかの投稿も読んでほしいと思う。

 「オルタナティブ・ブログ」での投稿チェックにはいくつか方法がある。まず、「最新の投稿」から、オルタナティブ・ブログ全体の新着を100件読むことが可能だ。RSS配信も行っており、リーダーなどでチェックできる。また、「ブロガー・カテゴリー」では、投稿されたカテゴリ別に読むことができるので、興味があるものを選んで読みやすくなるはずだ。ブロガーから探したいという場合は、ブロガー一覧新規参加ブロガーをチェックしてみるといいだろう。

 ITの今を知る、新たな発見があるハズだ。

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