必要なことはすべて「新しいOS」で――Facebookが示唆する新ビジネスNext Wave(1/2 ページ)

Facebookで流通してるような、Widget活用の流れは加速している。エンタープライズ分野でも、ダッシュボードの利用において、その端緒が見られる。必要な機能を自由に切り出し、簡単にカスタマイズできることが与えるインパクトは大きい。

» 2008年04月11日 04時22分 公開
[幾留浩一郎,ITmedia]

コンピュータ世界と接する「窓」

 前回、米国の学生に人気があるFacebookというSNSの持つ可能性について書いた。Facebookが従来のSNSと大きく違う点はAPIを公開していて、Widgetアプリケーションをプラットフォーム化していることである。

 あるユニークなコンテンツやアプリがあると、それを使ったユーザーが友人などに「これ便利だから使ってみたら」「これ意外と面白くて簡単に使えるよ」と渡すことで、受け取った側は、自分のWebページに貼り付けるだけで紹介されたコンテンツやアプリを利用できるようになる。

 個々人が自分のWebページで適宜必要な機能を、必要なだけ張り合わせて、自分だけのWebページを作ることができる。必要な全てのことは、自分に必要な情報を組み合わせたWebページを通すことで賄うことができるようになるのである。

セキュリティ面での課題も残るが、新しいビジネスの基盤となる可能性が

 Windowsは、人がコンピュータ世界と接する「窓」と言えると思うが、Facebookは個人とそれ以外の全てを結ぶ新しい「窓」のコンセプトを提供しようとしているのではないかと思う。

 Webサービスの提供者が、基本的な機能をAPIという形で提供し、利用者が必要に応じて機能を組み合わせて作り上げていくという点において、Facebookは「新しいOS」と表現できるかもしれない。有望なコンテンツやアプリに資本が投下され、より高機能で使い勝手のいいものが流通する動きが活発化すれば、大きなイノベーションが起こる可能性がある。

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