実はここに今回の買収の大きな意味がある。コグノスは、IBMのサービス指向アーキテクチャ(SOA)戦略を補完する総合的な BIツールとパフォーマンス・マネージメント・プラットフォームを提供している。コグノスのBIツールとパフォーマンス・マネージメントの部門を統合したことにより、インフラのところから現場で活用してもらうところまで、一気通貫で提供できる体制が整ったことになる。日本IBMのIM事業部 BIコンサルティングセールスの寿日出夫氏は、今回の統合は営業現場でも期待が大きいという。
「お客様のニーズは多様です。経営層と現場でニーズは違うし、例えば製造業であれば蓄えられた製品情報をデータ・マイニングで分析したり、小売業のお客様であればバイヤーの方が明日の発注を決めるために最新のデータをチェックするなど、業界によってニーズも違います。提案する立場としては、お客様に合わせて売り方を変えていく必要がありますが、例えばマイニング系はIBMの技術、パフォーマンス・マネジメントはコグノスというように、お互いにうまく補完されたことで、本当にお客様のニーズに合ったソリューションを提供できます。その意味で、今回の統合は非常にいい組み合わせだと思っています」
ミドルウェアからインタフェースの部分まで、顧客のニーズに合わせて情報をエンド・ツー・エンドで活用できる環境を提供する。この体制が整ったことで、IBMのIOD戦略は完成したといっていいだろう。
では、新たに加わったコグノス製品が、IOD実現にどのように貢献しているのか。次回、それを検証してみよう。
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