SAP、環境対応ソリューションを強化欧州の法規制に準拠

SAPジャパンは、欧州の環境関連の法規制に対応したソリューションを提供する。

» 2008年06月10日 20時44分 公開
[杉浦知子,ITmedia]

 SAPジャパンは6月10日、石油やガスなどを扱う装置産業における環境管理に対応する製品の提供について、記者向けのセミナーを実施した。

 SAPジャパンのインダストリー戦略本部化学・石油・ガス産業担当部長の安並裕氏は「装置産業においてこれまで製品安全や労働安全、危険物管理、廃棄物管理などのIT化が後回しになってきた。欧州ではREACHという化学物質管理に関する法規制が実施されることになり、今後日本で適用される可能性を受けREACHの対象となる企業で対応を求める声が高まっている」と話す。

 REACHは欧州における化学物質の総合的な登録や評価、認可、制限を定めた法規制で、6月に運用を開始する。所定の化学物質を年間1トン以上製造、輸入する企業と、界面活性剤などの化学物質を使用するユーザー企業を対象に、物質の使用用途などを登録するよう定めている。

安並裕氏

 SAPは環境安全衛生に対応する製品として「SAP Environment、Health & Safety(SAP EH&S)」を提供。科学物質の有害性情報や法規制データといった部門や事業所に散在しているデータを集約してEH&Sで一元管理する。SAP EH&Sは例えば、MSDS(化学物質等安全データシート)を35カ国語に翻訳して自動的に作成する。EH&Sは世界で1400社ほどの導入実績がある。

 加えて、REACHに対応するためのコンプライアンス製品「REACH Compliance」、地球温暖化防止や水資源保護に対応する製品として「SAP Environmental Compliance」も併せて紹介した。REACH Complianceの日本での発売時期は未定だが、世界では7月に出荷が始まる。SAP Environmental Complianceの導入実績は60社ほど。日本企業の導入について安並氏は「日本はまだ環境労働安全に対する理解が深くない状態であるため、情報を積極的に提供していく必要がある」と話した。

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