Microsoftの次なるリーダーは誰だバルマー氏の後任もいない(2/4 ページ)

» 2008年06月26日 09時34分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftには3つの柱となる事業部があり、プラットフォームおよびサービス部門はケビン・ジョンソン氏が、ビジネス部門はジェフ・レイクス氏が、エンターテインメントおよびデバイス部門はロビー・バック氏が率いている。

 これら3名はターナー氏とともに、テクノロジー分野よりも、ビジネス開発およびマーケティング分野における手腕で知られている。

 Microsoftに長年勤めたレイクス氏が2008年9月に退社するにあたり、ステファン・エロップ氏があとを引き継ぐべく準備中だ。エロップ氏は、ターナー氏やほかの2名の事業部門長を上回る、広範な技術バックグラウンドを有した人物だといわれている。

 Forrester Rsearchのアナリスト、ロブ・コプロウィッツ氏によれば、ターナー氏は、「かつてはエンジニアリング中心だったMicrosoftに営業部門を尊重する風潮が生まれた」ことを指摘しているという。また、Directions on Microsoftのアナリストであるロブ・ヘルム氏は、ジョンソン氏およびターナー氏について、「ゲイツ氏とは異なり、両者とも製品デザインや技術戦略を最重要視はしていない」と述べた。

 リーダーシップの順列にのみ注目するなら、最高財務責任者(CFO)のクリス・リデル氏や、法務顧問のブラッド・スミス氏も絶大な影響力を誇っている。

 Microsoftは技術系のリーダーによる指揮の下、飛躍的な成長を遂げてきたため、このように営業系と技術系の二極化が進むと、ゲイツ氏が社を去ったあとにできる指導力の空洞があらためて強調されることになる。

 営業系およびマーケティング系のリーダーが、ゲイツ氏の後任となる可能性はあるのだろうか。ヘルム氏は、「すでに成熟しているMicrosoftは、もはやトップに技術系の人間を据える必要はない」と話した。

 2005年11月の組織再編で、3名の事業部長体制が確立してからは、営業部門の幹部がMicrosoftの経営を切り回してきた。彼らのリーダーシップに引っ張られ、Microsoftの営業部門は目覚ましい販売業績を上げている。組織再編後、2006年3月31日に終了した第1営業四半期の収入は、109億ドルに達したという。それから2年後の同四半期には、収入は144億5000万ドルとなった。

 しかし、この数字を詳細に分析してみると、ある不穏な兆候も浮かび上がってくる。ゲイツ氏の退社に続くリーダーシップの交代について、数人のアナリストに尋ねたところ、ヒエラルキーとしては非技術系幹部がより高く権威づけられているが、名のある技術系リーダーのほうが成功に近く、影響力も行使できると、ほぼ全員が口をそろえたのだ。

 「(サーバおよびツール部門上級副社長の)ボブ・マグリア氏が特に目立っているのは、同氏の部門が2ケタの成長を記録する高収益部署だからである。サーバおよびツール部門は、オープンソースの競合製品としのぎを削り、デスクトップ市場におけるWindowsおよびOfficeの優位を支える立役者となっている」(ヘルム氏)

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