Microsoftの次なるリーダーは誰だバルマー氏の後任もいない(4/4 ページ)

» 2008年06月26日 09時34分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK
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 オンライン分野での将来的な成長を望むなら、ゲイツ氏に劣らないビジョンや実行力を示すことが不可欠だ。Directions on Microsoftのヘルム氏によれば、「オンライン」は「今いちばんの注力分野」だが、いざゲイツ氏の後継者を選ぶとなると、同社の展望は極めてあいまいだという。「Microsoftは開発者に実験的なオンラインサービスを提供しているが、オジー氏や同氏の配下は、こうした方面の取り組みに明らかについていけていない」(ヘルム氏)

 大まかにまとめると、そのほかの後継者候補は基本的に販売およびマーケティング畑の人間で、技術系出身ではない。

 ヘルム氏は、Microsoftオンライン部門コーポレート副社長のデイブ・トンプソン氏を、「『Exchange Online』などの企業向けサービス分野における大物」と話す。コンシューマー分野なら、ブライアン・マクアンドリュース氏(広告主およびパブリッシャー向けソリューショングループ上級副社長)、オンラインサービスおよびWindowsビジネスグループ上級副社長のビル・ベット氏、検索・ポータルおよび広告グループ上級副社長のサティア・ナデラ氏が三つ巴の争いを繰り広げている。

 マクアンドリュース氏は2007年8月、MicrosoftがaQuantiveを買収したのをきっかけに同社へ入社した。「3人の中では、ナデラ氏がゲイツ氏にもっとも近い技術的なバックグラウンドを持っている」(ヘルム氏)

 ゲイツ氏の後継者は明確には決まっていないし、さらにいえばバルマー氏にも後任はいない。Microsoftの会長とCEOであるこの2人は、大学生のころからのポーカー仲間であり、長らく同社でともに働いてきた同士なのだ。それぞれのリーダーシップの在り方は違えども、Microsoftでの両者の歴史はそのままMicrosoftの歴史でもある。ゲイツ氏の引退までには8年の年月がかかった。次に考えるべきは、だれがバルマー氏の代わりを務めるのかということだ。

 技術面における強力な指導力と、事業部を成功に導いた経歴を持つリーダーといえば、まずにマグリア氏が思い浮かぶ。コプロウィッツ氏は、マグリア氏は「オジー氏に並ぶ技術の天才で、なおかつMicrosoftからはより高く買われている」と述べた。

 とはいうものの、マグリア氏が同社もしくは主要3部門の舵を取ることになるだろうと予想したアナリストは、今回インタビューした中にはいなかった。

 ゲイツ氏不在のMicrosoftに必要なのは、同氏の血統を受け継ぐ有能な技術的指導者だと、アナリストは主張している。残念ながら、現在のMicrosoft幹部はそうした能力を備えていない。だが、マグリア氏とオジー氏を合わせれば、それに近い人材となるだろう。

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