カリスマ経営者と後継者問題――ビル・ゲイツ引退のいま考える、リーダーに必要な資質とは?オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2008年07月04日 18時52分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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ネット家電が増殖している

 ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」コーヒーメーカーにもセキュリティ脆弱性の時代を最初見たときは何かと思ったが、読んでみて納得。ネットに接続できる家電が増え、コーヒーメーカーなど意外なところでまで脆弱性が指摘される時代になったのだ。

 ネット家電と言えば、最も普及しつつあるのがテレビであろう。地上デジタル対応によって、ネットで情報を取りながらテレビを見るというスタイルが徐々に普及しつつあるようだ。しかし、これとは別にインターネットテレビやIPテレビなど、いろいろ言葉が飛び交って混乱している人もいるのではないだろうか。

 栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」IPTVとインターネットTVの違いでは、IPテレビとインターネットテレビの違いを具体例を挙げつつ説明してあるので、ぜひ目を通して欲しい。そして、栗原氏のエントリーを受けた林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」IPTVは大きく分けて3つのタイプがあるという投稿では、IPテレビの3タイプについても解説してくれている。

 ネット家電とは少し違うが、急速に普及が進んでいるのがカーナビだ。いまや高性能なカーナビが安価で出まわるようになっている。新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」コンピュータは「頭が悪い」のか?カーナビに委ねるドライブは、そんなカーナビ依存になっている現在に警鐘を鳴らしたエントリーだ。これと同じものに、ケータイを使うようになって電話番号を覚えなくなったというのも挙げられるだろう。新倉氏も指摘するように、依存することによって退化する、という問題が発生するのかもしれない。

カリスマ経営者と企業の行方

 ここのところ、不祥事が発覚した後の経営者の対応の不味さが目立つ。

 大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」リーダー放棄では、そのようなリーダーについて寂しいという感想を漏らしている。辻俊彦氏「キャピタリストの視点」決めないリスクに鈍感なサラリーマンでも、自己保身に走った結果、自己破滅を招くことになると、指摘している。

 このような問題噴出の経営者が報道される一方で、世界で1番有名なカリスマ経営者の引退が近づいていた。マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が6月27日に日常的な業務から引退したのだ(関連記事)。このことに関しては、次回オルタナブロガーの反応と共にあらためて触れることにするが、今週は1つだけ、ITmedia海外速報部・澤由紀子氏「海外速報部ログ」ゲイツ会長の思い出づくりを紹介したい。澤氏のいうように、これが円満退社の演出なのかどうかも気になるところだが、ゲイツ氏が、そのカリスマ性で業界を牽引していったことは間違いのない事実だ。

 一方、ほかのオルタナブロガーの間では、日本のカリスマ経営者について話題が出ていた。小林啓倫氏「シロクマ日報」「ジャパネットたかたの本当のすごさ」はもうちょっと別のところにあるような気が。だ。高田明氏は、商品そのものではなく「幸せのイメージを伝えている」ということを紹介している。

 中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」【4原則】 ジャパネットたかた・高田社長とApple・Steve Jobsの共通点と、【4原則】 聞きたいのは、あなたの意見なんですよでも高田氏について触れ、「ショッピングもビジネスも、恋愛と同じ」という高田氏の講演内容を紹介。これが、小林氏が紹介した「幸せのイメージ」と重なり合うことで、ほかにないプレゼン能力になっているのが理解できた。

 ビル・ゲイツ氏や高田明氏に共通するのは、その強烈なカリスマ性だ。ゲイツ氏は一線を引退したが、高田氏はまだテレビショッピングなどで先頭に立っている。いかに後継者を育て、受け継がせていくか。まずはマイクロソフトのこれからを注目したい。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」たった1つのことで、全てが台無しになる(注:ビジネスの話ですので!!笑)で触れられたように、たった1つのキッカケで、これまで築き上げたものが音を立てて崩れることもあるのだから。

安価にできるカラクリ

 7月から、またいろいろなものが値上げになった。ガソリンもいよいよ180円台。値上げの波は止まらない。

 そんな中、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」たばこ1箱1000円 賛否両論だと思うけどで紹介されたように、たばこの値上げ議論が進行しつつある。タスポ導入など、たばこ業界にもいろいろあるようだ。果たしてたばこの値上げは受け入れられるのか。

 その一方で、安価で提供されるものもある。しかし、加藤恭子氏「きょこ コーリング」誰かが無理をすることで安価になっているサービスや商品もあるを読んで、その安価にするためにどこが犠牲になっているのか、あらためて考えさせられた。

 また、小林啓倫氏「シロクマ日報」「なぜこの価格?」がアイデアを生むのように、アイデアを駆使して安価で提供していくことも必要となってくるだろう。

 そういう意味では、谷川耕一氏「むささびの視線」ATOKの月額制がけっこう気になるも、ある種のアイデアであろう。果たして、アプリケーションを月額性にすることが受け入れられるかどうか。今後の動きに注目したい。

学校裏サイトからリアルの出会い

 今回のランキングにも入っていたが、吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」の学校裏サイトネタは、思わぬ方向に話が進んでいた。まず、私の学校裏サイト記事を茶化した(disった)「はてなブロガー有村さん」の記事にコメントしてみたに驚いた。吉田氏ならではの行動だろうか。さらにすごいのは、ここでキチンとしたやりとりが行われ、学校裏サイト記事で知り合った「はてな村の若者20人」と飲んでみたへと続いていったことだ。とにかくこの一連のエントリーは読んでいただきたい。読み応えがあるうえに、爽やかな気分になることができるのだ。

 以上、6月19日から6月25日にかけて行われた「オルタナティブ・ブログ」への膨大な投稿の中から、筆者の視点で幾つかをピックアップさせていただいた。もちろん、ここで取り上げたのは、全体の投稿のごく一部にすぎない。もし、本稿から「オルタナティブ・ブログ」に興味を持っていただけたならば、ぜひほかの投稿も読んでほしい。

 オルタナティブ・ブログへの新しい投稿は最新の投稿からチェックできる。また、ブロガーから探してみたい場合は、ブロガー一覧新規参加ブロガーからチェックすれば、顔写真つきで探すことができる。ブロガー・ベスト30を見れば、ランキング上位のブロガーを探せるので、より注目されているブロガーがすぐに分かって便利だ。フィード配信も行っているので、リーダーなどを使ってチェックするのもいい。

 ITの今を知る、新たな発見があるに違いない。

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