バックアップで満足せずリカバリまで考えるWindows Server環境バックアップ実践 [リカバリ編](3/5 ページ)

» 2008年07月07日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

導入するまで

 Backup Exec System Recovery 8の利用には、とくに難しいことはない。保護したいサーバにソフトウェアをインストールし、あとはバックアップのスケジューリングと保存先を指定するだけだ。インストールも使用許諾契約に同意する以外には、マウスで何かをクリックする必要さえない。あとはプロダクトキーを入力し、シマンテック製品ではお決まりのLiveUpdateを実行して最新状態にすればいい。

 最初にBackup Exec System Recovery 8を立ち上げると、大きな赤い「×印」と「危険性あり」と表示されるのでちょっと驚くかもしれない。落ち着いて、×印の横の文章にある「バックアップ定義ウィザード」をクリックし、画面の指示に従って設定を施せばこの×印は消える(画面1)。

画面1:Backup Exec System Recovery 8の初期画面(画像クリックで拡大)

 実は、Backup Exec System Recovery 8は、ハードディスク丸ごとだけでなく、ファイルやフォルダ単位のバックアップも可能だ。次の画面では、コンピュータのバックアップ(ハードディスクの丸ごとコピー)かファイル、フォルダのバックアップかを選ぶが、ここではもちろんコンピュータのバックアップを選ぶ。次に、接続されているハードディスクが表示されるのでバックアップを行うディスクを選ぶ。

 次に、「リカバリポイントセット」か「単体リカバリポイント」を選択する。後者は単独のディスクコピーで、たんにディスクの複製を作りたいときに選べばいいだろう。日常的なシステム全体のバックアップ運用を行うならば、前者のリカバリポイントセットを選ぶ。リカバリポイントセットでは、最初の完全なコピーを行ったあとは、変更部分だけの増分リカバリポイントが作成される。これは、当然ながら単体のコピーを何度も作成するより、ずっと高速に処理できる(画面2)。

画面2:リカバリポイントの選択(画像クリックで拡大)

 続いて、バックアップの保存先を指定する。Backup Exec 12と異なり、NAS(Network Attached Storage)が指定できる。今回は、新たに購入したバッファローのTeraStation PROにあらかじめ保存先フォルダを作っておきそれを指定した。このあとで、リカバリポイントをいくつ保持するかを決める。たくさん保持すればそれだけディスク容量を消費することになるので、最初は少なくていいだろう。

 最適なスケジュールは、システムの利用状況によっても異なる。変更の少ないサーバであれば、週に一度の更新でもいいのかもしれない。さらに全体コピーを取り直すタイミングも月に1度程度でいいだろう。

 また、Backup Exec System Recovery 8は、ディスクの丸ごとだけでなくデータのバックアップとしても利用できる。そのため、前回までのBackup Exec 12を利用したデータのバックアップを行わずに、Backup Exec System Recovery 8だけで済ますこともできる。その場合は、当然ながらリカバリポイントを取るタイミングを数多く設定する必要がある。これは、起動ディスクに日常的に更新される重要データがある場合も同様だ。ここまで設定すれば、ウィザードは終了だ(画面3)。

画面3:バックアップ定義ウィザードの完了(画像クリックで拡大)

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