モラル崩壊は環境を破壊する! 人間のエゴがエコを崩壊させる日オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2008年07月11日 14時33分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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洞爺湖サミットと環境問題、そしてモラルハザード

 幾度となく取り上げていることだが、最近、モラルが崩壊しているように感じてしまう事件が多い。

 川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」自分勝手文化では、いわゆる「自己主張」とは次元の異なる「自分勝手」が増えていると指摘し、どうするべきか考察している。さらに川上氏のエントリーを受けて投稿された大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」自分だけは正しい、が前提の仮説では、「自分を過大評価した仮説を立てることで見失うものが出てくる気がする」と、自分の経験を元にまとめている。

 イタリア・フィレンツェの大聖堂への落書きが大きく報じられ、7月9日には落書きをした女子学生と大学の学長が市役所を訪れて謝罪することにまで発展した。この件は、さらに複数の文化財などへの落書きが発覚し処分を受けるなど、大ごとになっていた。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」落書き問題、イタリアの人は「厳罰処分」にビックリなようですでは、日本の過剰ともいえる処分内容に現地が驚いているということを紹介している。もちろん、落書きは悪いことという前提があってのことだ。

 こうした落書きは海外だけではない。日本国内でも、あらゆるところで落書き事件が起きており、丸山義夫氏「ドーダスドニノようこそ!」Oh!受験 子供のいたずら? でも紹介されたように、在来線の特急に落書きがされ、運休するという自体にまで発展した。岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」都内の警備は最高レベル・・・らしいにあるように、サミットを控えて警戒態勢にあるにもかかわらず、である。

 7月7日〜9日にかけて北海道洞爺湖でサミットが開催され、この期間を前にして都内でも警備体制を強化していたのだ。期間中はコインロッカーも使えなくなり、不便を強いられた人も多かっただろう。

 洞爺湖サミットにまつわるオルタナブロガーの反応については次回に取り上げたいと思う。ただ、今回のサミットのテーマに環境問題があることから、それらに関連したエントリーを紹介したい。

 今回のサミットでは、環境問題、とりわけ地球温暖化問題について、キチンとした取りまとめができなかったことが悔やまれる。高橋秀典氏「IT文化論」仮想コミュニケーションというグリーンITでの提言を借りれば、各国首脳が1個所に集まってサミットを開催することが必要なくなるかもしれない。

 グリーンITに関しては、別な視点からの指摘もなされていた。片貝孝夫氏「IT業界来し方行く末」ペーパーレスはグリーンIT違反? では、ペーパーレスによる電力エネルギーの浪費は問題にならないのかという提言を。コメントでもなかなか有意義なやりとりが行われており、考えるべきテーマだと思った。

 環境問題の行き着く先は、やはり自然だ。6月27日、佐賀地裁は国営諫早湾干拓事業について、潮受け堤防の排水門を5年間開門することを国に命じた。国の敗訴だ。だが、高橋徹氏「代替案のある生活」【諫早湾干拓訴訟】 どちらが勝訴しても、なんかとても悲しいで指摘されたように、「諫早湾の自然はすでに破壊されてしまっている」のだ。

 中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」【3匹】 仕事帰りにふらっとホタルを見ながら、人間のエゴとエコについて考えてみたで書かれているように、いま日本でホタルが減少している。自然破壊、密猟、そして外来種による影響……さまざまな要因が絡んでいるので一概には言えないが、ホタルの光が伝えてくれるメッセージを受け取りたい。

 諌早湾もホタルも、壊れた自然を戻すには長い長い時間がかかることを忘れてはならない。

クラシック音楽とマナー

 6月29日の朝日新聞「天声人語」で、クラシックコンサートにおける「フライング拍手」の話題が取り上げられた。演奏会におけるマナー問題だ。藤井等氏「Allegro Barbaro」クラシック音楽のマナー、実際のところどうなのさは、そもそもこの論点自体がおかしいという提案をしている。このマナー違反は、本当にいけないことなのか、という点だ。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」マナー違反と言う前にでは、初心者には何らかの形でルールを学ぶ機会を与えるか、演奏者側が新参者へと歩み寄り、堅苦しくないクラシックコンサートを開催してもよいではないか、という提案をしている。この小林氏の投稿を受けて、北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」マナー違反はベテランならやらかさないものと言えるかでは、ゴルフやビジネスの場を引き合いに出して、マナーについて考察している。

 この機会に、いま一度、マナーとは何かについて考えてみよう。

専用端末の撤退と電子書籍の行方

 あらゆる物が電子化している中で、なかなか電子化が進まないものがある。いや、積極的に電子化しているのだが、いまいち普及しないものと言えるかもしれない。それは「電子書籍」だ。

 パソコンやケータイで文章を読むという行為は普及しているのかもしれないが、何より専用端末が売れないという。そしてついに、ソニーと松下が電子書籍端末から撤退することが発表されたのだ(関連記事)

 工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」電子書籍端末の憂鬱では、ユーザーが求めるものは「本」の代替品ではなく、「本」よりも気軽に楽しめる端末だったということではないかと推察している。事実、ケータイ向けの電子書籍市場は成長しているのだ。そういう意味では、ケータイよりいささかゴツイ専用端末は、見向きされなかったということだろうか。

 その一方で、電子書籍の新たな方向性を示唆しているのが、小林啓倫氏「シロクマ日報」Kindle が大学のテキストに使われ始めている件で紹介された、大学向けテキストだ。小説と違って、こればかりはケータイで読むというのは似合わないだろう。これが電子書籍ならば、専用端末1つでいいし、用済みになっても保管場所を取らないという利点もある。

 電子書籍の今後がどのように進んでいくのか、1ユーザーとしても注目したい。

新テクノロジーいろいろ

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」GoogleがFLASHのテキストもクロール可能にしちゃったらしいで紹介された技術は、FLASHでサイトを構築している企業にとって、ある種の光明となるかもしれない。佐々木氏も指摘するように、インデックスされにくいというFLASHの弱点が、これで解消される可能性があるからだ。

 佐藤比呂志氏「隠れた財産」バクテリアにデータ保存で「夢のある技術」として紹介されたものは、近未来のデータ保存技術として注目すべきものとなるかもしれない。枯草菌に中にDNA配列の情報を挿入することでデータを保存するというのだ。1グラムの枯草菌に保存できるデータ量は1万テラバイトというから驚きだ。まだ実用段階ではないということだが、確かに夢のある技術だ。

 このほかに気になった投稿を幾つか紹介したい。

 安井賢克氏「猫のベロだまり」初めて人間ドックに行ってきたは、ちょうど筆者も久しぶりに病院にかかっただけに共感するところがあった。大丈夫だと思っても、きちんと検査は受けたほうがいいだろう。

 永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」パソコンがハングアップして、どうしようもない場合に、試す価値がある方法は、なかなか興味深い対処法である。ノートPCを利用している知人に教えておこうと思った。

 佐藤比呂志氏「隠れた財産」史上最強の予言者ジュセリーノには近々の大地震の予言が書かれているが、これは、ぜひ外れて欲しいものだ。

 以上、6月26日から7月2日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿された中から、筆者の視点で幾つかのキーワードを設定して、ピックアップさせていただいた。ここで取り上げたものは、膨大な投稿の中のごく一部にすぎない。本稿を読んで、「オルタナティブ・ブログ」に興味を持っていただけたらならば、ぜひ、ほかの投稿も読んで欲しい。

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