ヒトモノカネから「3つのP」へ――ITSMの新資源ITIL Managerの視点から(1/3 ページ)

企業のビジネスドライバーは「ヒト・モノ・カネ」だと言われてきたが、ITサービスマネジメントの世界ではやや事情が異なる。「3つのP」というリソースが重視されるのだ。

» 2008年07月24日 08時00分 公開
[谷誠之,ITmedia]

リソースの有効活用と言うけれど

 来年(2009年度)の春季から、情報処理技術者試験が大幅に改定される。詳細は情報処理技術者試験センターのサイトで確認できるので、興味のある読者は参照していただきたい。本連載と関係がありそうな変更点は「テクニカルエンジニア(システム管理)」と呼ばれていた試験が新たに「ITサービスマネージャ」という名称の試験に改められ、出題範囲がJIS Q20000、ITILに沿って再編され、よりマネジメント面が重視されることだろう。実は今までこの「テクニカルエンジニア(システム管理)」という試験はあまり人気がなかった。情報処理技術者試験センターの発表によると、平成19年度のテクニカルエンジニア(ネットワーク)の実質的な受験者数(実際に試験会場を訪れ受験した人)は1万5215人、同(情報セキュリティ)は1万4649人、同(データベース)は1万278人だったのに対し、この(システム管理)の受験者は3497人に過ぎなかった。人気のある試験の半分から3分の1にも満たなかったわけである。しかしJIS Q2000、ITILと密接に関連付けられたことによって注目され、受験者が1万人程度にまで伸びるのではないか、と期待されている。

 余談であるが、情報処理技術者試験センターの略称は「JITEC」である。筆者は今年になって初めて、これを「ジャイテック」と読むということを知った(へえ)。

 なぜこのような話題を紹介したかというと、そろそろ今年の新入社員も職場に慣れてきたころではないか、と考えたからである。企業によってはまだまだ新人研修の最中だ、というところも少なくないだろうが、いずれにしても新入社員というのは会社にとっては「金の卵」にほかならない。どのようにコストをかけて、どのように1人前のヒューマンリソース(最近はマンパワー、という言葉はあまり使われないらしい)として育て上げるかということについて、どの会社でも一様に頭を悩ませているところだろう。

 そこで今回は、この「リソース」という考え方とコストのかけかたについて、2つのキーワードで考えてみたいと思う。

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