外出先でインターネットに接続する場合は、有料でも信頼のできる事業者のサービスを利用するようにしよう。特に無料をうたうサービスには、無線LANスポットなどの管理が全くなされていない場所も多い。こうした場所では悪意を持った人物がウイルスを仕掛ける、個人情報を狙って偽の認証ページを表示させるといった細工をしている。「対価なく提供されている無料サービスには、“裏”があることを気にかけてほしい」と黒木氏もアドバイスする。
普段閲覧しないようなWebサイトにアクセスする場合も注意が必要だ。最近は偽のニュースのタイトルをつけたスパムメールやブログなどで、インターネット利用者を悪質なサイトへ誘導しようとする手口が広まっている。誘導先の悪質サイトの大半は、閲覧しただけでトロイの木馬といったウイルスに感染させる仕組みだ。心当たりのないメールやブログは閲覧しない、不審なWebサイトにはアクセスしないようにしてほしい。
休暇の後は日常業務への影響に考慮して、もう一度セキュリティ対策の確認をしよう。
PCの電源を久々に入れるのであれば、まずOSやアプリケーションのアップデート情報をチェックして、更新データをインストールする。ウイルス対策ソフトのパターンファイルもアップデートしよう。次に、PCの動作が不安定になっていないか、ウイルスなどに感染していないかをチェックする。休暇前には見られなかったような症状が現れたら、直ちにPCをネットワークから切り離して必ず管理者に報告し、指示を仰ぐ。被害を社内に広めないための最低限の措置だ。
休暇中に撮影した旅行先の風景や友人と一緒に撮影した写真データをUSBメモリなどで配布する前には、ウイルスチェックを実行したい。先に挙げたように、最近はUSBメモリに感染して広がるウイルスの存在が注目されている。知らぬ間に感染した自宅PCで写真データをUSBメモリに保存し、同僚の会社のPCに接続して感染が広まったということにもなりかねない。プライベートと仕事でUSBメモリを使い分ける、ウイルスチェックを必ず実施するなどを心掛けよう。
「夏休み中といえども、1人の社会人として節度と常識をしっかりと持ち、セキュリティ対策に臨んでいただきたい」(黒木氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.