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» 2008年08月14日 08時30分 公開

デジタルサイネージ最前線:お台場冒険王の人気アトラクションに見る電子看板ビジネスの真骨頂 (2/3)

[藤村能光,ITmedia]

参加者に広告と気付かせない仕組み

 「このアトラクションが販売促進を図るデジタルサイネージと気付く人はいない」。NECでメディアソリューション事業部ソリューションビジネス推進部のマネジャーを務める香月正宏氏は胸を張る。

 同アトラクションの顔認識には、NECの性別・年齢層自動推定システム「FieldAnalyst」(FA)を活用している。これは専用のカメラが撮影した映像から人物の顔を検出し、性別と年齢層を推定するもの。男女の性別、0〜60歳以上という年代を十歳区切りにし、人物を7種の年代に分類できる。

 分析した性別と年代を基に、10代はメモ帳、30代はフェイスタオル、60代はトートバックといった商品をディスプレイに表示する。消費者の属性に合わせて購買行動につながりやすい商品を自動で推薦する仕組みだ。

image 分析結果の表示イメージ

 「これまでのデジタルサイネージの分析システムは、入場者の数などを把握できる程度だった。だが、FAを使うと、コンテンツを見た時間やディスプレイまでの距離などを細かく分析できる」(香月氏)

 例えばJR東京駅では、朝は通勤をするビジネスパーソン、昼は新幹線を使う年配の方、というように同じ場所でも時間帯によって訪れる人の属性は違ってくる。NECが実施した女性向けのショッピングモールにおける実証実験では、普段の商品の購買率は女性が圧倒的に高かったが、ホワイトデーには男性の購買率が女性を抜くといった結果も得られた。

 場所の特性を明確にすることで、「滞留時間の短い場所では、15秒のCMを流すより、3秒程度のスポットCMを流した方が効果的」(香月氏)といった分析ができるようになり、コンテンツ作成のコストも下げられる。こうした技術とデジタルサイネージを組み合わせることで、企業が顧客の情報を有効に活用できるようになるだろう。

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