データが勝手にどこかへ行った……わけないでしょ!悲しき女子ヘルプデスク物語(2/3 ページ)

» 2008年09月17日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

宝くじ当選より低い確率で故障、こんな運を使いたくない

 「なんで真っ青なのよー」ひとり言をつぶやきながら、サーバの再起動を試みるわたし。しかし、OS が起動してこない。「ディスクが読めない」というメッセージが英語で表示されている。どうやらファイルサーバのCドライブがお亡くなりになったようだ……って、あれ?

 このファイルサーバは OS がCドライブに、データがDドライブに入っており、どちらもハードウェア的にミラーリングされている。プライマリーのCドライブに何かがあったときは自動的にセカンダリーのディスクに切り替わるはず。

 なんで切り替わらないのよー!

 Windows のソフトウェアRAID なら起動ドライブの変更作業が必要だが、ハードウェアRAID だからその必要もないはずだ。となると、疑わしいのは RAID コントローラーかな? でも、代わりの RAID コントローラーを試しても結果は同じ。どうして?

 実は「ミラーリングしていたセカンダリードライブも故障」していたのだ。Cドライブのプライマリー、セカンダリーのハードディスク両方が故障していたのである。さらに、RAIDコントローラーそのものも故障していることが分かった。ここから先は推測だけど、RAID コントローラーが故障したことが直接の原因で、この RAID コントローラーが何かしでかして両方のディスクを壊したのではないだろうか。そうでも考えないと、RAIDコントローラーと2台のディスクがいっぺんに壊れる確率は、宝くじに当たるよりずっと低いはず……。しかし、その宝くじよりも低い確率の出来事が目の前で起こっている。しばらく固まってしまうわたし。

わたし 同時にドライブが故障するってどういうこと!?

 だれかに問いただすわけではないのに、ついボヤいてしまう。でもわたしには、部品の交換と、バックアップからの復元作業が待っている。後は時間との勝負!

 ハードディスクをミラーリングしていたって、両方とも壊れてしまったら元も子もない。第一、ミラーリングは決してバックアップではない。PCの操作によってハードディスクから削除されたファイルは、ミラー側のディスクでも削除されてしまうのだから。たとえそれが誤った操作で削除してしまったとしてもだ。ディスクの冗長化をしていてもバックアップは大切だ、とあらためて感じた事件だった。

 ところでバックアップが大切だというのは、個人だって当てはまる。

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