T-Mobile、Google、HTCが開発したAndroidベースの携帯電話「Dream」に関する情報が明らかになった。
確かな情報として、このスマートフォンは9月23日にニューヨークで開かれるイベントでお披露目する見込みだ。スペックと画像から判断すると、Dreamはスライド式のキーボードを搭載するようだ。T-Mobileは10月20日に、2年間のサービスプラン付きで同製品を200ドルで発売するのではないかと思われる。
予想がつかないのは、Androidベースの携帯電話がどれだけ売れるかということだ。HTCの内部関係者によると、同社では10月下旬から12月31日までの期間中にT-Mobileが60万〜70万台のDreamを販売すると予想している。大ざっぱにいえば、60〜70日間で100万台の半分ないし4分の3の出荷を見込んでいるということだ。
これは相当な数字だが、スマートフォン市場でDreamが挑戦しようとしている最も人気のあるスマートフォンと比べると見劣りがする。Appleは2007年、74日間で100万台の第1世代のiPhoneを販売した。さらに今年の4月には、3日間で100万台という驚くべき数字を記録した。
わたしはEnderle Groupのアナリスト、ロブ・エンダール氏に、T-Mobileは新年までに何台販売すると思うかと尋ねた。
「最初のiPhoneよりもバグが多いということがなければ、Googleのブランド力とDreamに対する関心の高さのおかげで、非常にたくさん売れるだろう。マスコミにも大きく取り上げられるだろうから、10〜12月期の最大の話題になるかもしれない」とエンダール氏は答えた。
さらにエンダール氏は、「iPhoneが先鞭をつけたおかげで、デジモノ愛好家たちは当初、Dreamを新しいiPhoneあるいはマストハブのアイテムと見なすだろう。ただしDreamがきちんと動作することが条件だ」と付け加えた。
わたしもこの見方に賛成だ。こういった有利な状況を判断すれば、Dreamは今年いっぱいで100万台近く出荷されると思われる。これは、だいたい同じ日数で出荷されたiPhoneとほぼ同じ台数だ。
Dreamをめぐる話題は非常に盛り上がっており、リリース時点でバグが少なく、iPhoneのように「うわーっ!」と言わせるユーザーエクスペリエンスを提供することができれば、Dreamは飛ぶように売れ、モバイルコンシューマーやモバイルワーカーに喜ばれる贈り物になるだろう。
もちろん、エンダール氏が指摘するように、HTCなどのベンダーが十分な数量を供給しなければ、わたしの予測も的外れになるだろう。
Dreamがバグだらけでないかぎり、そして景気が大幅に悪化して、人々がこういった製品の購入を控えるようにならないかぎり、当初予定されている数量は比較的短期間でさばけるものとわたしは予想している。
懸念材料もある。景気下降局面を迎えるのに伴い、スマートフォンの需要がどうなるのか不透明な状況なのだ。
Appleはこれまでに何百万台ものスマートフォン販売したため、既に市場が飽和状態になっており、人々はもう1台のカッコいいデバイスに200ドルを支払おうと思わないかもしれない。
iPhoneにも弱点はある。
わたしが目にした記事(同僚のJoe Wilcoxの「Apple Watch」ブログなど)によると、iPhone 3Gにうんざりしている人々もいるようだ。もしそうだとしたら、彼らは3Gに対応したSidekick風のデバイスに飛びつく可能性もある。ただし、きちんと動作することが条件だ。つまり、めったに通話が切断しないデバイスでなくてはならないということだ。
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