CRMの新潮流
特集
» 2008年09月25日 08時00分 公開

BT、CGM、SNSは三種の神器:CRM2.0の課題と使いこなし術 (3/3)

[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]
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SNSが抱える課題と解決方法

 ヒトを機軸としたSNSはマーケティングで大きな力を発揮する。「あの人の言うことなら信用できる」という安心感からくる口コミ効果には大きな期待が寄せられている。しかし、CRMを活用して自社のビジネスを活性化しようとする企業が自力で本格的なSNSを立ち上げることは難しい。

 顧客は特定企業の色が出過ぎることを嫌う傾向があるため、コミュニティーの中立性を保つ必要がある。コミュニティーを引っ張るインフルエンサーと良好な関係を保つための地道な努力も欠かせない。よほどのブランドやロイヤルティを持った企業でない限り、自社でのSNS運営は現実的な施策とはいえないだろう。

 かといって、大手SNSサイト内にコミュニティーを作ったのでは場のコントロールという観点での制約が大きい。そこで有効なのが自社サイト内に設置する比較的小規模で存続期間の短いSNSコミュニティーである。テレビドラマのサイトには必ず掲示板が置かれており、その中で視聴者や番組制作者が活発にやり取りしている。同じように新しい製品やサービスを展開するタイミングでSNSコミュニティーを立ち上げ、そこをCGM活用の場とするのである。無理に本格的なSNSを構築しようとせず、短期間でも濃いやり取りを目指すことがポイントだ。

 営業にとっては、営業部門外の社員もしくは社外との個人レベルでの情報共有という活用が考えられる。部署横断的な情報共有という観点ではコラボレーションソフトウェアの「ワークプレース」という概念もあるが、その場合の情報共有の単位はあくまでグループである。個人単位かつヒトを基点とした情報共有(いわゆるノウハウ)という点で、CRM2.0におけるSNS活用は従来の情報共有手法とは若干異なっているといえる。

 オラクルが「Oracle CRM on Demand Release 15」で提唱している「Social CRM」はこれに相当する概念である。しかし、SNSを介してやり取りする相手を新たに見つけるためには相手がどんな「ヒト」なのかを知る必要がある。だが、各社員にプロフィールを入力させようとすると、従来型CRMと同じ問題を抱えることになる。

 そこで先に述べたBT活用が生きてくる。企業内に限定すれば、専用のツールをインストールして電子メール、スケジュール、ToDoといった各種業務アプリケーションの操作履歴データを集積することが可能となる。内部統制の観点でもそうしたデータは有効に活用できるだろう。そのようにして集積したデータをSNSと結びつければ、個々の社員にプロフィール入力を強いることなく、必要としている情報を持つヒトを探し出すためのデータを蓄積することができる。

 以上、CRM2.0を構成する要素であるBT、CGM、SNSがそれぞれ抱える課題とその解決について話した。これら3つの要素は独立して機能するものではなく、互いに補い合ってCRM2.0を形成している。顧客向けと営業向けそれぞれにおける各要素の役割とほかの要素との関係を把握した上で、適切な施策を講じていくことが重要である。

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