近鉄不動産、EAIツール導入で開発工数を約60%削減

近鉄不動産はインフォテリアのEAIツールを用い、既存の営業支援システムと新たに構築したERPシステムを連結させた。開発期間を1カ月短縮できるなどの効果があった。

» 2008年10月01日 21時04分 公開
[ITmedia]

 近鉄不動産は、住商情報システムのERPパッケージ「ProActive E2」を基幹システムに導入した。既存の営業支援システムと新しい基幹システムとのデータ連携には、インフォテリアのEAI(企業アプリケーション統合)ツール「ASTERIA WARP」を用いている。9月24日に住商情報システムとインフォテリアが、安定稼働を確認したと発表した。

 近鉄不動産では、基幹業務を支えるITシステムを自社開発して運用してきた。同システムは開発から15年経っており、機能の追加などが困難になっていたという。2006年夏ごろより基幹システムの見直しをはじめ、6カ月で新システムと既存システムの連携を含めたシステム構築を完了した。これらのシステムは2008年4月1日に稼働を開始した。

 ProActive E2には、債権と債務、財務会計と管理会計、資産運用のモジュールを新たに導入し、購買管理や借入金、不動産物流、マンション販売、リフォーム、公共料金などは既存の営業支援システムを活用している。ProActive E2をカスタマイズして個別にデータ連結部分を開発するよりも、EAIツールで既存システムを連携する方が、拡張性や柔軟性の面で運用後のメリットが高くなると判断したためだ。

 システムのデータ連携のパターンは多岐にわたるため、各種データベースやWebフォーマット、Excel、PDF、メールなどのデータ形式に対応したASTERIA WARPを採用した。ASTERIA WARPでは、データ属性のチェックやデータ変換、フォーマット変換を行いデータ同士を連携する。

 近鉄不動産では、ASTERIAを使用しなかった場合と比べて約1カ月の期間短縮、開発工数は一部機能の簡略化も含めて60%削減できたと試算。運用状況やシステムの課題把握などメンテナンスの効率化も期待しているという。

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