ナンバーワン企業の共通点――「たった1つの想い」Gartner Column(2/3 ページ)

» 2008年10月03日 08時32分 公開
[小西一有(ガートナー),ITmedia]

 米国人の著名コンサルタントおよび著作家であるマイケル・トレーシーは「The discipline of market leaders:(邦題)ナンバーワン企業の法則」という著作を発表しました。国内では1995年に翻訳されて発行されています。マイケル・トレーシーは、何年もかかって、業界ナンバーワンの企業を調査しました。彼はこれらナンバーワン企業に共通する特徴を見つけるのです。その特徴は、とてもシンプルなもので、複雑なビジネスルールや、複雑なビジネスプロセスではありませんでした。

 各業界におけるナンバーワン企業は、「Value Discipline :(日本語訳)価値理念」 を明示的に「たった1つだけ保有していること」を発見したのでした。

 この価値理念という概念は、少々分かりにくいのです。ビジネス戦略ではありません。もちろん、戦術的に何らかの強制力をもつ概念でもありません。企業の存在価値そのものとか、そこで生活を営む従業員の信じる道とか、そういう類のものです。しかし、業界ナンバーワン企業は、お客様にも、株主にも、同じ「価値理念」を明示しました。従業員には、正社員だけでなくアルバイトやパートさんに至るまで全員が理解し、その理念の下で働いているということをトレーシーらは発見したのです。そして、業界ナンバーワン企業が明示している価値理念は、たったの3種類しかないことを見つけたのです(図3)。

図3

 では、読者の皆さんは、この3つの価値理念の中の1つを選択して自社の価値理念とするならばどれを選択しますか。「商品の優位性」「ビジネス運営の卓越性」「顧客との親密性」のうちの1つです。

 商品の優位性で有名な企業はソニーです。CPUでお馴染みの米Intel、運動用具大手のNikeなども、この分類でそれぞれ業界ナンバーワンの地位を確立しています。日本の製造業の皆さんは、商品の優位性を自社の価値理念と考えるのではないでしょうか。素晴らしい価値理念です。

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