ITギョーカイに付きまとう「コトバ」の問題悲しき女子ヘルプデスク物語(2/3 ページ)

» 2008年10月22日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

ホームページ=グループウェア?

 先日、社内で行われた「グループウェアの機能を改善するための会議」で、一瞬固まってしまった言葉があった。どの会社でもそうだと思うけど、たいていの会議は、眠くてツラいもの。その時も眠気に負けそうになりながら、ぼーっと聞いていたわたし。すると、ある課長さんが次のように言ったのだ。

 各社員の給与明細を、ホームページで見られるようにしてはどうか?

 え! 今、何とおっしゃいました? 一瞬で眠気が吹き飛んだ。いかにイントラネットサイトとはいえ、ホームページで社員の給与明細を公開するわけにはいかないじゃないの。

 いや、待てよ。今はグループウェアの会議だぞ。どうやらこの課長さん、グループウェアに給与明細を表示する機能をつけてはどうか、と提案しているようだ。つまりはグループウェアにログオンしている本人の給与明細が表示されるようにしてはどうか、という提案だろう。確かに、社員全員に紙で配っている給与明細をなくすことには、それなりの効果がある。

 「ホームページじゃなくてグループウェアだよ」って言いたくても、言える雰囲気じゃない。だれも指摘しようともしない。ひょっとしてこの場にいる全員があれを「ホームページ」だと思っているのか? グループウェアが、例えばサイボウズのようなWebアプリケーションだったら区別できないというのも分かるけど、ウチのグループウェアはそうじゃない。もしかしたら、ネットワーク経由で動かすアプリケーションは、すべて区別がついていないのかも……。

 つくづく考えさせられた出来事だった。社内で利用するツールの呼称を統一しないと、混乱しそうだ。正しい理解と言葉の統一を、いつどうやって研修するのか……。いや、ITに詳しくない人同士では通じているんだったら、このままでいいのかも? 言葉の問題は、意外と深刻な課題かもしれないと思うわたしだった。

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