シマンテックは、ソフト資産をネットワーク経由でストリーミング配信するための新製品を発表した。企業内での利用からSaaSビジネスとしての展開まで幅広く対応し、ソフト管理の手間を削減する。
シマンテックは11月10日、ソフトウェアのストリーミング配信システム製品群「Altiris Software Virtualization Solution Professional」を発表した。Windows環境に対応したアプリケーションを配信でき、インストールやライセンス管理などの負荷を軽減する。
新製品は、配信用ソフトウェアの管理などを行う「Software Virtualization Solution(SVS)」とストリーミング配信の「Symantec Workspace Streaming」、クライアント用エージェントツールなどで構成される。
ユーザーがクライアントPCからLANやWANを経由してSymantec Workspace Streamingの配信サーバにアクセスすると、ActiveX経由でエージェントツールがインストールされ、配信用に用意された複数のアプリケーションを利用できる。SVSでは異なるバージョンの複数のソフトウェアを管理でき、VMwareなどのソリューションを活用すればWindows 98などの旧来のOSも最新のクライアント環境上で仮想的に動作する。
アプリケーションをストリーミング配信で利用することで、ユーザー企業はクライアントPCごとに行っていたインストール作や追加、削除などの作業、また、ライセンス管理などの負担を軽減できるという。試験導入した企業の場合、ライセンスコストで10〜50%、インストールなどの管理業務についての総コストで最大80%の削減効果が認められたという。
ストリーミングデータはすべて4Kバイト単位に分割して配信され、差分データのみを更新する仕組みでユーザーのアクセス回線を効率的に使用できるという。
プロダクトマーケティングマネジャーのベイ・キサング氏は、「導入企業ではすべてのクライアント用にソフトウェアライセンスを用意する必要がなく、IT管理部門の業務も効率化できる。システムサービス企業やサービスプロバイダでは、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)をすぐに立ち上げられる」と説明した。
米Symantecがグローバル向けに提供するサービスでは、IBMやSAP、Microsoft、Sun Microsystems、Autodeskなどが80種類以上のアプリケーションを提供している。
国内では、きっとエイエスピーと日立東日本ソリューションズがAltiris Software Virtualization Solution Professionalを利用したSaaS事業を展開すると発表した。
Altirisビジネスユニットの諸橋隆也営業部長は、「アプリケーション配信によるエンドポイントの仮想化環境を推進し、運用管理の負担軽減とユーザー企業の生産性向上を支援する」と話した。
価格は20クライアント環境の場合で240万円から、SaaS事業での利用を検討するサービスプロバイダや通信事業者、システムサービス事業者には検証も含めて個別対応する。
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