SeagateとMcAfee、DellがHDDの自己暗号化機能付きノートPCで提携コンプライアンス証明にも対応

McAfeeの集中管理型セキュリティウェアを搭載した新タイプのHDDが、Seagateのワールドワイドチャネルを通じて販売される。容量は160Gバイトと320Gバイト。0.5Tバイト版も近く投入される見込みだ。Dellは現在、一部の企業向けノートPCの新機種でこれらのHDDをオプションとして提供している。

» 2008年11月13日 14時30分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 米Seagate Technology、Dell、McAfeeの3社はそれぞれの得意分野を持ち寄り、データを自動的に暗号化するノートPCを共同で開発中だ。

 世界最大のHDDメーカーであるSeagateは11月11日、自己暗号化機能を搭載した新しいノートPC向けHDD「Momentus」を自社のワールドワイド販売チャネル向けに出荷開始した。容量は160Gバイトと320Gバイト。Seagateによると、来年初頭には0.5Tバイト(500Gバイト)のバージョンを提供する予定だという。

 データセキュリティプロバイダーのMcAfeeは、「Seagate Secure」HDDを使用したノートブック(PC)を全社的に管理するための組み込みソフトウェアを提供する予定だ。

 McAfeeの管理システム「ePolicy Orchestrator」とエンドポイント暗号化クライアント(いずれも集中管理される)は、SeagateのMomentus FDE(フルディスク暗号化)HDDに統合され、組み込みハードウェアによる暗号化を実現する。

 Orchestratorを利用すれば、ITセキュリティ担当者はポリシー管理を全社的に強制することができ、トークンによる認証やエンドユーザーパスワードの復元が可能になる。企業はノートPCの紛失や盗難に際しても、それが暗号化されていたことを証明することができる。これは多くの情報プライバシー法におけるコンプライアンスとしては重要な点である。

 これらの新しいノートPCの生産を担当するのはDellである。同社では昨年以来、Seagateの自己暗号化HDD(160Gバイト)を搭載した同様のノートPCを販売しているが、供給は限定されていた。

 Seagateのマーケティングディレクター、ジョニー・クラーク氏は「われわれが自己暗号化ドライブをワールドワイドチャネルで出荷するのは、これが初めてだ。すべてのHDDが暗号化機能を備えるようになるのは、たぶん時間の問題だろう」と話している。

 数カ月前に広く報じられたように、ニューヨーク市では毎月平均で3万台のノートPCや携帯端末がタクシーや空港に置き忘れられている。また、FBIの最近の報告によると、53秒に1台の割合でノートPCが盗まれており、そのうち97%は二度と取り戻すことができない。

 このため、こういった携帯デバイス、特に重要なビジネス情報が保存されている業務用マシンのデータセキュリティは、企業のITマネジャーにとってますます重要な関心事となっている。

 Seagateの新しいノートPC用HDDのMomentus FDEでは、回転数が5400rpmと7200rpmのモデルが用意される。Momentus FDEドライブはいずれも高速なSerial ATAインタフェースを備え、AES暗号化技術(米政府標準の暗号化方式)を用いてHDD上のすべての情報を自動的に暗号化する。

 これらの新しいノートPC用HDDの開発でSeagateに協力しているセキュリティソフトウェアベンダーはMcAfeeだけではない。SECUDE International、Wave Systems、WinMagic Data Securityなどのベンダーも、HDDの開発でSeagateと提携している。

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