内田洋行とウチダスペクトラム、エンタープライズサーチの新製品企業の集合知を活用

内田洋行がウチダスペクトラムのエンタープライズサーチ製品の開発に参加。UIのカスタマイズや外部検索エンジンとの連携などの新機能を搭載した。

» 2008年11月18日 16時09分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 内田洋行とウチダスペクトラムは11月18日、エンタープライズサーチ(企業向け情報検索システム)の新製品「SMART/InSight G2」を発表した。12月11日から出荷する。

 新製品は、ウチダスペクトラムが開発・販売するSMART/InSightの第2世代製品。Ajax対応によるユーザーインタフェースのカスタマイズ化や外部検索エンジンを併用する「フェデレートサーチ」機能の実装、全社での検索結果をユーザーにフィードバックする機能を追加した。

SMART/InSight G2のUI画面

 ユーザーインタフェースでは、Ajaxを利用してユーザーごとに画面カスタマイズをできるようにした。検索結果表示や検索履歴、検索条件などの設定といった各種機能をウィジェットとして用意した。ユーザーは必要なウィジェットを選択して、画面上に自由にウィジェットを配置できる。英語版のインタフェースも用意する。

 フェデレートサーチ機能は、社内情報の検索結果に加えて、GoogleやYahoo!など外部の検索エンジンを利用した検索結果を同一画面上に表示できるもの。「企業利用が認められた検索用APIであれば、SMART/Insightに統合できる」(ウチダスペクトラムの町田潔社長)という。

 さらに全社の検索状況を収集、分析して、管理者や「検索人気トップ10」などの情報をウィジェットとしてユーザーへ提供できるようにもなった。また、ユーザーの検索履歴を保持したり、部署内や全社で共有化したりできるようになっている。

 新機能の搭載により、検索時の応答時の体感速度が従来に比べて3倍向上したという。さらに、一般的な企業で利用される検索機能を標準化した。導入段階から自社環境に適すると想定される検索機能を用意しても、実際に活用できるようにするには約3〜6カ月間かかるという。しかし、標準化した機能を徐々にカスタマイズ化することで、この期間を短縮できるとしている。

柏原氏

 内田洋行では、今年4月からSMART/InSight G2の開発に参加しており、本格的に販売活動も始める。「企業の情報基盤の活用がますます必要とされ、検索技術はその中核を担う。われわれも本腰を入れて、組織内に散逸する英知を活用する環境の普及に取り組む」(内田洋行の柏原孝社長)

 また、町田氏は「今後は販売面だけでなく、フェデレートサーチのようにサービスや機能面でパートナー連携を広げる」と話し、2009年以降にソフトウェアベンダーなどとの開発連携を拡大する考えを明らかにした。ウィジェットをユーザー企業同士で提供し合うようなサービスも検討している。

町田氏

 SMART/InSight G2の価格は、1年間利用ライセンスで年間720万円(2000人規模での利用の場合)から、買い切りライセンスが3350万円からとなる。SMART/Insightの2007年度売上高は約3億5000万円で、2社では新製品の初年度販売目標を10億円としている。

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