わが社のコスト削減

競争を勝ち抜くアウトソーシングの効果的な利用法Accenture View(2/3 ページ)

» 2008年12月05日 10時09分 公開
[Michael Heideman, 五十嵐慎二(アクセンチュア),ITmedia]

ルネサステクノロジを支援

 また、日本を代表する半導体企業の1つであるルネサステクノロジと既述のアウトソーシング契約を結びました。IT業務のコスト削減とサービスの品質向上を支援するとともに、同社の情報サービスチームのナレッジとマネジメント能力の強化を推進しました。

 このアプリケーションアウトソーシング契約に基づき、同社はIT担当スタッフを共同チームに異動させ、われわれもこのチームに人材などを提供しました。業務移行プロセスを経た後、アクセンチュアの有する手法と工業化されたアプローチを活用することで、共同チームはアプリケーションの運用・保守、および開発という業務において重要な役割を果たすことになりました。

 同時に、ビジネスプロセスのリエンジニアリングやITポートフォリオの最適化をサポートし、機能面での冗長性排除に努めました。ルネサステクノロジはアクセンチュアと連携することで、アプリケーション開発および運用・保守コストを削減し、社員はITに関する最新のナレッジと能力を短期間で吸収することができました。

 適切なアウトソーシング・アプローチの確立に加えて、経営幹部はアウトソーシングを支援するプロバイダーの提案内容の有効性を慎重に判断する必要があります。着目すべき判断材料として、プロジェクトの組織・管理手法、業務および人材のアウトソーシング・モデルの選択(ニアショア、オンショアおよびオフショア)、多様なアプリケーションの運用・保守と生産性を向上させるリエンジニアリング能力、優れたサービス・デリバリー能力などが挙げられます。

 アウトソーシングプロバイダーがどのようにして価値を提供し、コスト削減を実現させるのか、その手法とメカニズムを把握することが、アウトソーシングを成功させるための必須条件といえるでしょう。

戦略的アウトソーシング・プロバイダーの選定

 業務コストの大幅な削減と、企業の変革とを同時に実現するためには、世界レベルの能力、実績に裏打ちされた手法と業務プロセスによる工業化されたアプローチ、必要な語学力を身に付けたエキスパートの集団などが挙げられます。

 われわれは先に述べたようなアウトソーシング支援において、アクセンチュアグローバルデリバリーネットワークを最大限に活用しています。例えば、大連(中国)にあるデリバリーセンターでは、数多くの日本語に堪能な専門スタッフが常勤しています。このように、日本企業が業務の一部を大連に移管する際、充分な研修を受けた低コストの人材プールを有効活用し、より一層のコスト削減を実現できるよう支援しています。

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