理研、理論ピーク108TFLOPSの新スパコンをNehalemシステムで構築

理化学研究所が来年稼働させる新スパコンを、CPUにXeon5500シリーズを搭載する富士通のPRIMERGY次期モデルで構築することが明らかになった。理論ピーク性能が現行システムの約9倍となる108TFLOPS。

» 2008年12月08日 19時18分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 独立行政法人理化学研究所(理研)は12月8日、理論ピーク性能が現行システムの約9倍となる108TFLOPSのスーパーコンピュータシステムを富士通の「PRIMERGY」を中核としたシステムで構成することを明らかにした。

 新たなシステムは、3つの異なる用途の計算サーバシステム(大規模並列計算、大容量メモリ計算、多目的計算)と共通のフロントエンドシステム、磁気ディスク装置、テープ装置によって構成される複合システム。中核となる大規模並列計算用PCクラスタには、開発コード名「Nehalem」で知られるCore i7アーキテクチャを採用したXeonプロセッサ「Xeon 5500」シリーズを搭載したPRIMERGY次期モデルが採用され、その台数は1024台(2048CPU、8192コア)。1TFLOPS当たりの消費電力は、現行システムの約7分の1となる予定であるという。メモリやディスク容量、インターコネクトの種類などは不明。

 運用面では、最大100万本のジョブ投入が可能な高速ジョブ投入機能や、計算処理の手戻りを少なくする「チェックポイント・リスタート」機能などを備えた富士通のHPCミドルウェア「Parallelnavi」シリーズを用い、1システムイメージでの運用を行う。また、各計算サーバシステムから磁気ディスク装置への同時大量アクセスについては、理論性能で従来システムの約8倍となる毎秒12.8Gバイトの転送速度を実現しているという。

 実効性能などはまだ明らかではないが、東京大学のT2Kなど最近の日本国内のスパコンシステムには80%前後の実効性能を発揮するものもあるため、理研の新システムも同程度の実効性能が期待される。システムの稼働は2009年度第2四半期を予定している。

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