Business ObjectsがSaaS型BIをアップグレードSalesforce.comのサポートも強化(2/2 ページ)

» 2008年12月12日 06時00分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
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BI OnDemandへの挑戦者

 BI OnDemandの新バージョンでは、ビジネスユーザーがオンプレミスとオンデマンドのデータソースを検索し、パイプライン全体を見渡すのに必要なリポートを作成することにより、時間を節約し、管理コストを削減できるという。キーワードを入力するだけで特定のリポートに必要なデータを見つけ、さらにそのデータを将来のリポート作成用としてデータウェアハウス内で利用可能にすることができる。

 「あちらこちらに散在している情報を簡単に利用できるようにする技術を開発した」とギル氏は語る。さらにBusiness Objectsでは、Dun & BradstreetやThomson Reutersが提供するサードパーティーのデータをBI OnDemandソフトウェア用にライセンスしている。

 また、これまでSalesforce.comの巨大なデータセットをサポートしたBI製品が存在しないことが、Salesforceデータを掘り下げ、それをほかのアプリケーションのデータに組み合わせる必要がある企業に苦労を強いてきたという。

 新しいSalesforce.comアクセラレータは、何GバイトものSalesforce.comデータ用に、クラウドベースのデータリポジトリをBusiness Objectsのサーバ上に作成することを可能にする。このリポジトリは、ほかのオンデマンドおよびオンプレミスのソースのデータと組み合わせることができる。「これにより、ユーザーは大量のデータを移動し、それをリポート作成や、アドホックな報告、ダッシュボードなどに利用できる」とギル氏は説明する。

 BI OnDemandは、毎月更新されるサブスクリプションモデルとして提供される。75ユーザーで100Gバイトのストレージを使用する標準的なミッドマーケット構成で2年間利用した場合、1ユーザー当たりの平均月額は約107ドル。1500ユーザーで500Gバイトのストレージという標準的な大企業向け構成で2年間利用した場合は、1ユーザー当たりの平均月額は約47ドルになるという。

 BI OnDemandにしても、SaaS型BI市場全般にしても、登場してまだ日が浅い。ギル氏によると、Business ObjectsがSaaSソリューションの最初のバージョンをリリースしたのは2年半余り前のことで、会員数は20万人を超えるという(主要ユーザーの1社がADPである)。しかしこれは、全世界でBusinessObjects XIを利用している4万社に比べると、まだ取るに足らない数字だ。

 Business ObjectsのBI OnDemandには、以前から挑戦者が存在する。その1社がIBM傘下のCognosである。同社の「Cognos Now!」製品には、セルフサービス型ダッシュボード、データ連携、分析、リポート機能などが含まれ、パッケージ済みのBIアプリケーションあるいはホステッドサービスとして提供される。そのほかにも、PivotLink(旧SeaTab)、LucidEra、Panorama、Good Dataといった新興ベンダーから挑戦を受けている。

 しかしギル氏は、これらのチャレンジャーは問題ではないと一蹴する。同社にとって最大のチャレンジャーは、SaaSに移行すべきか、それともBusiness Objects、Hyperion、CognosなどBI市場を形成している多数のベンダーが提供する伝統的なオンプレミスソリューションにとどまるべきか迷っている顧客だという。

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