Business ObjectsがSaaS型BIをアップグレードSalesforce.comのサポートも強化(1/2 ページ)

SAPの子会社で、エンタープライズBIアプリケーション市場をリードするBusiness Objectsは、クラウドコンピューティングを利用したいという顧客向けに、新しいコンテンツ作成ツールとSalesforce.com用のアクセラレータをリリースした。同社では、オンプレミスとSaaSを結び付けるゲートウェイとしての役割がビジネスチャンスになるとみている。

» 2008年12月12日 06時00分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Business Objectsは、18年間にわたってビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア市場をリードしてきた。BIソフトウェアは、ナレッジワーカーや企業の経営幹部が、市場の動向や顧客のビジネス価値をより深く理解するのを支援するアプリケーションである。

 68億ドルの買収でSAPの傘下に入ったBusiness Objectsは、ホスティング/SaaS(サービスとしてのソフトウェア)型BI分野でもリードを拡大しようと考えている。

 Business Objectsは12月10日、「BI OnDemand」の新バージョンをリリースした。新しいコンテンツ作成/開発機能のほか、SaaS CRM大手のSalesforce.com用のアクセラレータを追加した。

 BI OnDemandは基本的に、同社の主力製品である「BusinessObjects XI」スイートのバージョンの1つで、パフォーマンス管理、プランニング、リポーティング、クエリ、分析、エンタープライズ情報管理などのアプリケーションが含まれる。

 XIスイートは、顧客が社内のサーバやPCにインストールする(オンプレミス型)アプリケーションで構成される。これに対し、Business Objectsは自社のサーバ上でBI OnDemandをホストし、必要に応じて関連するアプリケーションをインターネット上で顧客のために用意する。これは典型的なクラウドコンピューティングといえるもので、ユーザーは社内のハードウェアやストレージに負担をかけることなく、Web経由でソフトウェアサービスを調達することができる。

 Salesforce.com、Amazon Web Services、GoogleのApp Engineによって普及したクラウドへの移行の流れは、Business Objectsなどの企業にとって大きなビジネスチャンスにつながる。それは次の理由による。

 「企業ユーザーの多くは、従業員、パートナー、顧客向けにオンプレミス型とオンデマンド型アプリケーションを組み合わせたハイブリッド方式を採用している。これらの異種データソースからBIを引き出すのは容易ではない。BI OnDemandは、オンプレミスとオンデマンドの両方のデータが含まれるリポートとダッシュボードをユーザーが共有することを可能にする」――Business ObjectsのOnDemand部門のマーニ・ギル氏はeWEEKの取材でこう説明した。

 ギル氏によると、例えば、BI OnDemandの新しいコンテンツ作成/開発環境は、販売パイプラインの見通しが良くないという不満を抱いている企業に役立つという。

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