MozillaとWikimedia、「Theora」を支持──10万ドルを寄贈

Mozilla Foundationは「Theora」の開発援助のため10万ドルの寄付をすることを明らかにした。

» 2009年01月29日 20時27分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 Mozilla Foundationは1月26日、オープンソースの動画コーデック「Theora」の開発を支援するため、Wikimedia Foundationを通じて10万ドルの寄付を行うことを発表した。WebブラウザFirefoxの次期バージョンとなるFirefox 3.1ではTheoraがネイティブサポートされる予定だが、Theoraの「音質、性能、実装品質はもっと改善できる」としている。

 Theoraは、マルチメディアコンテナフォーマット「Ogg」のXiph.org Foundationが開発するオープンソースの動画コーデック。Oggコンテナフォーマットの標準ビデオコーデックとして利用され、2008年11月にバージョン1.0がリリースされている。

 Mozillaは以前から、ビデオではTheoraを音声ではOgg Vorbisをネイティブサポートする方針を明らかにしていたが、Mozillaの開発担当副社長、Mike Shaver氏は同日付のブログで、「Theoraは、オープンでフリーなビデオをインターネットで提供する最善の方法と考えている」と述べ、支持を明らかにした。だが、(Theoraの)「動画の質、性能、実装の品質はもっと改善できる」と続けている。

 今回、Mozillaでは、Theoraの改良のため、Wikimediaを通じて10万ドルを寄贈する。コードの改良、関連ツールなどの開発が予定されているようだ。Wikimediaも、「Wikipedia」コンテンツでTheoraとVorbisを採用しており、今後、共同でオープンビデオを支援していくという。

編集者の一言

昨年ようやくバージョン1.0がリリースされたTheoraですが、そこに至るまでには結構な時間が掛かっています。Mozilla Foundationは金銭面での支援を行うことで開発スピードを加速させたいようですが、こうしたコーデックの開発に興味を持つ人自体が少ないことが大きなネックだといえます。今回の寄付でフルタイムの開発スタッフでも雇うのでしょうか。MozillaとWikimediaが支持を表明したのは大きいですが、有望な動画コーデックはほかにも存在するので、もう少し様子を見守りたいところです。

西尾泰三

from DevIT

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