Intelが新Itanium「Tukwila」のデザインを修正リリースも延期

Intelは「Tukwila」のコードネームで呼ばれている次期Itaniumプロセッサの基本技術の一部を変更する。同社初のクアッドコアItaniumである同プロセッサの変更点は、DDR3メモリのサポートや、Tukwilaを将来版Itaniumチップとソケット互換にすることなど。これらの変更により、Tukwilaのリリースは今年半ばまで延期される。

» 2009年02月09日 15時48分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 Intelの広報担当者によると、同社では開発中のクアッドコアItaniumプロセッサ「Tukwila」のデザインを修正中だという。その結果、この新しいハイエンドマイクロプロセッサのリリースは当初予定よりも遅れる見込みだ。

 Intelは当初、この最新のItaniumプロセッサを2009年前半に発表する予定だった。しかしTukwilaのデザインの変更により、同社はリリースを今年下半期に延期せざるを得なくなったという。

 2月にサンフランシスコで開催される「International Solid-State Circuits Conference」において、IntelのエンジニアらはItaniumロードマップおよびTukwilaに関する最新情報や変更内容について説明するようだ。さらに同社のエンジニアは、「Nehalem」マイクロアーキテクチャのロードマップやその他の技術的ブレークスルーの最新情報も明らかにする予定だ。

 Tukwilaのデザインの変更点の1つが、DDR3(Double Data Rate 3)メモリのサポートである。Intelではユーザーは意外に早くDDR3に移行すると考えており、同社はこの予測に基づいてItaniumのロードマップを変更しようと考えたという。

 修正されたItaniumプラットフォームには、「スケーラブルバッファメモリ」と呼ばれる新しいメモリ技術も組み込まれる。これは、サーバシステムがサポートできるメモリの量をOEMが増やすことができるというもの。

 Intelは既に、NehalemアーキテクチャをベースとするプロセッサでDDE3メモリをサポートしている。同アーキテクチャは2008年末に市場に投入された。

 Intelの広報担当者、パトリック・ウォード氏は2月5日の取材で「DDR3メモリは今後、サーバで主流になるだろう」と述べている。

 Intelでは、DDR3が将来の主流になると考えているが、Advanced Micro Devices(AMD)では、ユーザーは当分の間、安価なDDR2の方を選ぶだろうと予想している。AMDは2010年までDDR3に移行しない方針だ。

 Tukwilaのデザイン変更では、同プロセッサを現在ロードマップに載っているほかの2種類のItaniumチップとソケット互換にするという修正も盛り込まれた。これら2つのItaniumプロセッサ「Poulson」と「Kittson」は、2〜3年後にリリースされる見込みだ。

 TukwilaはIntelの65nm(ナノメートル)プロセスで製造されるが、同社はItaniumシリーズでは45nmチップを省略し、Poulsonで一気に32nmプロセスに移行する計画だ。

 さらに同社は今年末に、「Westmere」のコードネームで呼ばれるメインストリーム向け32nmプロセッサを発表する予定だ。

 Intelは既に、Tukwilaは4個のプロセッシングコアを搭載し、当初は2GHzのクロック速度で動作することを明らかにしている。また同プロセッサは、8つの命令スレッドをサポートするほか、30Mバイトのオンダイキャッシュを装備する。

 Tukwilaには「QuickPath」とよばれる新技術も組み込まれる。QuickPathは高速なチップ間インターコネクト技術で、同プロセッサシリーズがマザーボード上のほかのコンポーネントあるいはチップと接続することを可能にする。

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