少し話は違うが、米Amazon.comが2月9日に発表した「Amazon Kindle 2」に関して、米作家協会は著作権法違反の可能性もあると指摘した。新たに加わった「テキスト読み上げ機能」が、オーディオブックの売り上げに影響すると反発したのだ。別に、オーディオブックに対抗して付加した機能ではないと思うが、日本よりもオーディオブックが普及しているアメリカでは深読みされてしまったのかもしれない。
このように、利便性の裏には、必ず反発が起こる。
Googleブック検索に関しても、書店でも立ち読みをしてじっくり本を選んで購入するのだから、ネットで立ち読みができてもいいのではないかという意見もあるだろう。それで売り上げが落ちたのだとすれば、そこまでの書籍だったということになる。つまり淘汰になっていくわけだ。
著作権者、出版社、Google、そして何より読者にとって、一番いい方法は何か。権利ばかりを主張するのではなく、考える好機なのかもしれない。栗原氏も指摘しているように、日本は蚊帳の外に置かれているようにも思えてしまう状況は好ましくないだろう。今後の動きに注視したい。
ネットの逆流(12):医薬品のネット販売は本当に規制すべきなのか
ネットの逆流(11):円天詐欺で考える「電子マネー」の光陰
ネットの逆流(10):ブログでの名誉毀損で国内初の一斉摘発 一歩間違えれば自分も加害者
ネットの逆流(8):背に腹はかえられぬ? 増加する値上げ、課金
ネットの逆流(7):クラウドによるデータ集中と、その危険性を考える
ネットの逆流(6):携帯電話のリテラシー教育を真剣に考えるときが来ているCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.